体当たりで漁業を変革したシンママ。次の針路は真珠文化再生

2019/5/3

水産業の六次産業化の先駆け

坪内知佳、32歳。日本海に浮かぶ山口県の島、萩大島の漁師をまとめ上げて萩大島船団丸を結成し、その日に獲れたばかりの魚を契約先に直送する「鮮魚BOX」を考案した。『カンブリア宮殿』『金スマ』など、多くのテレビ番組に取り上げられてきたから、見たことがあるという読者も多いかもしれない。
彼女が中心となって、60人の漁師からなる萩大島船団丸を設立したのは2010年10月。翌11年、いわゆる「六次産業化法」が施行されると、11年5月には中国・四国地方で第1号の認定事業者に選ばれている。
今でこそ全国で見かける海産物の産地直送だが、坪内は獲れた魚を船上で血抜きし、水揚げ直後に配送する「船上直送」を実現した。