クラウドコンピューティング:次の変化に備える4つの視点
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6年くらい前はまだオンプレがメジャーで、「AWSって大丈夫?」というような空気感でしたが、今やクラウドがデフォルトの世界観にすっかり塗り変わってしまいました。
AWS内のサービスも検索エンジンからBIツールからGPUサーバまで充実していて、私たちのサービスもその上に思いっきり乗っかっている状態です。悪く言えばかなり依存している。もちろん十分なSLAを担保できるように冗長化はしているものの、AWSに何かあれば影響は受ける。
でもそれはオンプレでも同じと言えば同じで、それよりもスピーディにサービス構築できる恩恵は計り知れません。
クラウドサービスがイノベーションを加速するのは記事で指摘されているような未来の話ではなくて、とっくに起きていることです。うちはAIスタートアップなので、Google Cloudがデフォルトです。400Tfpsを軽く超えるTPUv3が使えるのは当面ここだけでしょう。AIにデータを送り込むのはいつも苦労しますが、新作のData Fusionがちょっと革命的に簡単で凄い!確かに5年先を予測することさえ困難で、必死についていくだけですね。
どれもNowの課題であって、「次の変化に備える」ではないですね。
“ 1.クラウドをイノベーションのためのプラットフォームとして利用する”
今でも、AIやIoTなど新しいことにチャレンジするためのPOC(概念実証)は、まずはクラウドでというのが常識です。
“ 2.地理的に閉じたクラウドサービスをどう構築するかを考える”
AWSを始め、大手クラウドでは、リソースをどの地域(リージョン)に確保するのか指定できますので、何も「考える」必要はありません。
DR(ディザスタリカバリ)のために、複数の地域にデータの複製を持つのは常識ですが、保護主義的流れで、国外にデータを置けないケースが増えてくるかもしれません。しかし、大手クラウドでは、一国に複数のデータセンターを持っていますので、大きな問題とはならないでしょう。日本でも、AWS/Azure/GCPいずれもが、東西二つのリージョンを利用できます。
3.「オンラインがデフォルト」の状態に向けて備える
これはIoTがらみの話で新鮮味はないですが、「オンライン」であることに大きなメリットがあるデバイスは、既にオンラインであり、現在オフラインのデバイスは、10年後も多くがオフラインであり続けるだろうと予想します。冷蔵庫がオンラインになって、レシピを表示してくれるとか、そんなのスマホでやればいいことで、一般人に受け入れられるとは思いません。
それに「備える」といっても何をしてよいやら。エッジコンピューティングのアーキテクチャがまだ固まっていないのに、今から備えても徒労に終わるだけです。新しいサービスが始まれば、即使えるというのもクラウドの利点ですから、備える必要はないでしょう。
“4.スタッフやプロバイダーの能力の進展に注意を払う”
10年後を見据えてスタッフやプロバイダーを選ぶなんてナンセンスです。10年間普遍的に有用なスキルとか、10年間優位なクラウドプロバイダーなんて、考えるだけ無駄。その時々に「いい人」を採用すればいいし、いいサービスを利用すればいい。