フランスの黄ベストデモ23週目 寺院修復優先に反発も
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注目のコメント
先週より少し参加者が増えたが、運動当初から見ればデモの規模は縮小傾向にある。ただし、その要求や意見などが支持を失ったのではない。むしろ、いちいち街へ出て訴える必要もないほど広まって来たということでもある。問題は、そこに統一見解や具体的要求があるわけではない点だろう。何となく、支持されているのだ。そもそも黄色いチョッキ(Gilets jaunes)運動は明確な組織を持たないし、正式な代表がいるわではない。なので、その意見を集約する手段を持っていないのである。これでは政治的に無力なのだが、そうした中でも、何となく共感を集めているのだ。まあ、寺院修復を持ち出す者も中にはいるだろう…。
感情というのは厄介な生きものです。大富豪のポケットからあっという間に1千億円もの寄付金が出てきたのを見たら、目の前の貧困問題に対する政府の無策を怒る人たちが不公平感を感じるのは自然なことと思います。(それがお門違いであるという点は私もそう思いますが)
ただジレ・ジョヌのグループは過激な層が入り込み、全体の性格付けがしにくくなっています。グループで「不公平だ!」と叫んでいる人が貧困層の人たちなのか、それに便乗している人たちなのかは分かりません。「(寺院修復が優先されて)自分たちは後回しにされたままだ」と言う理由にスポットを当てて、デモをしている層がワガママやお門違いの抗議をしているかのような心象を与えたい目的の記事に見えてしまいます。
事実は行き過ぎたグローバル化への反動に過ぎず、毎週行われているデモと、ノートルダム寺院の修復費用は殆ど関係ないでしょう。稀に、そのような言葉を口にした人がいた、と言う程度では無いでしょうか。
従って、このニュースは単なる言葉狩りです。
「ノートルダム寺院の修復費用が優先される事でデモをするのはオカシイ」的なコメントは、的を外していると思いますね。
グローバル化は、貧富の差を拡大し、一部の富裕層が豊かになる一方で国民全体が貧困化します。
黄色いベスト運動は、その文脈で、富裕層優遇政策は止めてくれ、と言う叫びです。
マクロン大統領が退陣するか、グローバル化路線から背を向けない限り、デモは無くならないでしょう。