“サイバー攻撃は武力攻撃” 日米安保条約適用で共同対処へ
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日米間の、領域横断作戦(クロス・ドメイン・ウォーフェアー)での協力が加速しています。特に、昨年12月に決定された防衛大綱において、この考え方が示されて以来の日本の動きが非常に速く感じます。
先週には、自衛隊内に100名規模の宇宙を担当する部隊を新設することが報じられたばかりで、航空自衛隊は、既に基幹要員を米空軍の教育訓練機関に送ったり、米空軍が主催する各国空軍指揮官の宇宙関連会議に参加したりしています。
今回の日米2プラス2では、サイバー攻撃を武力攻撃とみなして、日米安保条約に基づいて日米共同作戦が実施される可能性が認められました。
米国は、2010年には、重要インフラ等に対するサイバー攻撃を武力攻撃と認定し物理的に反撃する、と国防長官が述べていましたが、日本では、これまで、サイバー攻撃を武力攻撃と認識して自衛権を行使するというコンセンサスはとれていませんでしたから、大きな前進と言えます。
現代の戦闘は、サイバー空間と宇宙から始まります。これは、各国の軍人や政治指導者の間では常識となりつつあります。既に、ロシアがウクライナに侵攻した際に、これを実行したのです。物理的な軍事攻撃の前に、サイバー空間や宇宙において通信や情報共有を妨害する等の撹乱を行ったことがハイブリッド戦と呼ばれました。
日本は、ようやくこの現実に追いついてきたとも言えますが、最近の動きが迅速なのは心強く思います。国民の生活から基幹インフラ、防衛システムまでもが高度にネットワーク化されている以上、そこへのサイバー攻撃も武力攻撃と見なすというのは妥当な判断で、むしろ遅すぎたぐらいだ。これでサイバー上においても日米(+英豪等)は連携できるようになった。自衛隊のサイバー防衛部隊も現在の220名体制から数年後を目途に倍増される計画であり、日本のサイバーセキュリティ能力は(遅々としてはいるものの)着々と強化されつつある。
“サイバー攻撃は武力攻撃”と決めつけると、
アメリカは他国のサイバー攻撃をする場合も同じく理解していい。
スノーデンの話を読んでみると、世界でもっとも他国のサイバーを攻撃しているのは、まさかアメリカであり、
そのアメリカをどう見るか。
結局、“サイバー攻撃は武力攻撃”とみることは、日米のサイバーに対する攻撃をやると、武力攻撃とみなす、と理解していいのではないか。
アメリカはスノーデンの言っているサイバー攻撃をやめることはないと思う。