鴻海精密工業の郭会長、来年の台湾総統選に出馬意向表明
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去年11月の台湾統一地方選で、台北市長に無所属現職の柯文哲氏が2大政党の候補をおさえて4割の得票で再選を果たしました。台湾政治の景色も、中国との関係、民主化といったテーマよりも、失業、低賃金、格差といった暮らしの課題がクローズアップされるようになったように見えます。
そんな中で企業の成功者がどう見られるか。経済に強いとみられるか、既得権益層とみられるのか。まずは国民党内の予備選に注目です。郭会長が総統選出馬を表明しました。
すぐに出馬出来るという訳ではなく、郭会長は国民党員であり、国民党の予備選に出馬して、勝てば正式に国民党の候補として出馬することとなります。
これまで、企業経営者が総統になったことはなく、これまでの言動も含めて対応しなければならないことが多々ありそうです。
国民党では郭会長以外に高雄市の韓市長の待望論も強く、どのようになるか注目されます。
【2019.04.17 追記】
今後の流れですが、先ずは国民党内で立候補者の調整が行われます。調整がつかない場合、5月には予備選が実施され、党員による投票3割、世論調査7割の割合で得票が高かった候補者が党公認候補として選出されます。
台湾の「總統副總統選舉罷免法」では民間企業の経営者が総統職との兼職を禁止しておらず、理論的に会長職に留まったまま総統に就くことは可能ですが、仮に総統選挙で当選した場合、実質的には今まで通り経営を行なっていくのは困難でしょう。
また、総統就任の際には所有財産の信託が求めらる他、退いた後も3年以内は国外への出国は総統府の許可が必要等、様々な制限が課せられます。前回総統選前にも出馬騒動があったので、また噂だけで終わるかと思っていたのですが、よもやの意思表明ですね。
ただ、台湾市民の人気が必ずしも高いわけではないので、どうなるかは未知数ですが。