[ニューヨーク 15日 ロイター] - 米財務省が発表した2月の対米証券投資統計によると、海外投資家の米財務省証券投資が4カ月ぶりに買い越しに転じた。世界経済に対する懸念が高まる中、低リスクの米国債に対する需要が増大したことが示された。

2月は199億1000万ドルの買い越し。前月は119億9000万ドルの売り越しだった。2月の買い越しは6カ月ぶりの大きさとなった。

米国債利回りは米中貿易摩擦やさえない経済指標を受け、2月の大半にわたって低下していたが、下旬には政府債の供給や第4・四半期国内総生産(GDP)を巡る懸念から上昇した。

2月末時点の米10年債利回り<US10YT=RR>は0.07%ポイント超低下の2.71%。15日終盤時点は2.554%。

BMOキャピタルマーケッツの金利ストラテジスト、ジョン・ヒル氏は、リサーチノートで「金利水準の低下にもかかわらず、需要を示している。米国債市場以外にも、政府機関債や社債に海外からの需要がみられることは注目に値する」と指摘した。

海外投資家は2月に機関債を224億8000万ドル、社債を106億8000万ドル購入した。一方、米国株への投資は106億7000万ドルの売り越し。前月も312億1000万ドルの売り越しだった。海外勢による米株の売り越しは10カ月連続。

中国の米国債保有は1兆1310億ドルと、3カ月連続で増加。昨年10月以来の高水準を付け、世界第1位の米国債保有国の座を維持した。

日本の米国債保有は1兆0720億ドルと、2017年11月以来の高水準となった。

英国の米国債保有は2838億ドルで、前月の2735億ドルから増加した。

海外投資家による米長期有価証券投資(株式スワップ等除く)は519億ドルの買い越しだった。