[東京 15日 ロイター] - NTTドコモ<9437.T>は15日、新料金プランを6月1日から提供すると発表した。データをあまり使わないユーザーは最大4割の値下げとなり、政府の値下げ要請に応えた格好だ。ドコモは最大4000億円の顧客還元で今期減益を見込んでおり、非通信分野の拡大が収益回復の鍵を握る。

新たに提供するのはデータ量が30ギガバイトまで月6980円で利用できる「ギガホ」と、1ギガバイト未満なら月2980円で利用できる「ギガライト」。ギガライトはデータ量に応じて段階的に料金が上がり、7ギガバイトまで月5980円で利用できる。

一方、「ギガホ」はデータ容量の30ギガバイトを超えても、最大毎秒1メガビットの通信速度を利用できるのが特徴だ。

会見した吉澤和弘社長はギガホはデータ容量の上限に達しても1メガビットで通信を利用できることから「ほぼ使い放題だ」と強調した。

ギガホ、ギガライトともに3回線以上の利用で1000円の割引となり、この割引を適用すると1ギガバイトまでのギガライト利用者は従来プランよりも4割、ギガホ利用者は同3割の値下げとなる。菅義偉官房長官は4割程度の値下げする余地があると発言しており、これに応えた格好となる。

顧客還元額は最大4000億円にのぼる見通し。この結果、今期は減益予想となるものの、吉澤社長はこの金額がそのまま利益減につながるわけではないと強調した。

昨年10月時点では2023年度に17年度の利益水準(9900億円)に回復するシナリオを描いていたが、吉澤社長は「23年度にこだわらず、極力前倒しをしたい」と語った。

新料金プランの導入に伴い、現在の料金プランや「月々サポート」などの端末購入補助の新規受付は5月31日で終了する。月々サポートの終了で端末購入価格は上昇が予想されるが、吉澤社長は今後も何らかの形で補助を続けていく意向を示した。

(志田義寧)