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大学Universityというのは普遍的Universalな知について学ぶ場としてヨーロッパで発展してきました。これは、「普遍的な知」が存在するというヨーロッパの世界観に基づくものです。「普遍的な知識」が存在するというのはキリスト教とも密接に結びついた考え方で、世界は全て神によって創られているのだから、全ての知識には関連性があるという発想です。数学は物理学や経済学に応用できる、化学は生物学に応用できる、というこの考え方は近代西洋の躍進の基礎でもあります。
レオナルドは、ルネサンス期、つまり「普遍的な知」を美術や手工業、都市設計、機械へと応用しようとしていた時代のあだ花のような人です。「普遍的な知」の他分野への応用はこの後急速に進み、大学も急速に変わって社会で大きな役割を果たすようになります。この変化は後にデカルトやライプニッツ、ニュートンらによって決定的になりますが、レオナルドは時代が早すぎたのと数学に弱かったこと、そしてラテン語ができなかったこと(これは、当時アラビア語、ギリシア語からラテン語に翻訳されつつあった最先端の自然科学書が読めないということでもあります)で、創始者としての役割は果たせませんでした。多くのアイディアは出したものの、体系化して後進に継承することができませんでした。
レオナルド・ダ・ヴィンチの残した合計7200枚のメモやノートを丹念に調べ上げて、この15世紀のイタリアに生まれた天才が、まともな学校教育をうけず、どうやってアート、音楽、建築、光学、土木工学、気象学、天文学、解剖学などにまたがる才能を花開かせたのか、リアルな人生を描いている伝記『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(ウォルター・アイザックソン著)が発売されました。
合計800ページ近い大作を読んでわかることは、一見するとムダとしか思えないような好奇心が、まるで星座を形づくる星と星のようにつながり、最後はすばらしい『結晶』となっていることです。なぜ彼があんなに美しい絵を描けたのか、なぜたった十数枚しか絵画を残せなかったのか、始めてその理由を知りました。
ちなみに筆者は、アップル創業者のスティーブ・ジョブズの伝記を書いた、世界的なベストセラー作家です。私はもともとジョブズの伝記を読んで大ファンだったのですが、どの時代でも「アート」と「テクノロジー」の垣根をこえて融合させた人物が、イノベーションを生み出してきた理由がさらにはっきり理解できました。
そしてダ・ヴィンチというメモ魔が残した、素晴らしいスケッチやノートの一部も、ぜひご一読ください。すぐ役には立ちませんが、豊かに生きるためのヒントが詰まってます。
「科学者で芸術家で、世の中にないものも作り出して、歌舞伎にも出て、探検もして、作家にもなって、マンガも描いて、探偵もしてYOUTUBERにもなりたい」と答える多動な息子。
「その中でどれか一つは?一つを決めて具体的に調べるといいよ」とか言われると、
「うーん…」と納得がいかない彼の憧れは「レオナルド・ダ・ヴィンチ」。
今夜この記事を読んであげようと思います!!
学問も興味も全ては繋がっている!!
面白い事、追求したい興味を捨てる必要はない。
一方で人の話をいちいちメモるようなことはしない。ダヴィンチのメモの類も、人の話のメモではなく、考えついたモノゴトを文字や絵にして形にするまでの過程にすぎない。
しかし、これを読むにつけ、親近感を感じるよりむしろ、やはりダヴィンチは天才だったんだなぁと再確認。そこの貴方、自分がちょっと時間にルーズだから、算数のミスなんて日常茶飯事だからって、勝手に親近感持たないようにw
しかし伝記を読んでみると、締め切りには遅れるし、すぐ気は散るし、代数は苦手。こんな人間味がある人だったのか、、と一気に親近感が湧きました。國弘デザイナーによるイラストも、とても可愛いです。
多動的なその生涯をまとめて読むいい機会。
「レオナルドは、あらゆることに興味を持ち、一方でとても飽きっぽい人間だった。建築、数学、解剖、水力、地図など、さまざまな「マイブーム」に熱中するあまり、本業である絵画を忘れてしまうことも多かった。
それがレオナルドの弱点だと評されることもあるが、最後は最高の武器になった」
・好きと仲間を提供する
・苦手、未完も許容する
・本人の判断基準を尊重する
・他者と同じことを強いない
自戒も込めて。
ダヴィンチの行動を単に真似しても高みには到達できません。経験や学びを広げる目的がないと経験も学びもしんどくなります。ダヴィンチがラテン語に苦しんだのは、絵を描くことに結び付いていなかったからだと推測します。
①自分の感覚と向き合う
自分の感覚と向き合い言語化する習慣をもつ
②領域にとらわれない
好奇心と本質に従って学習する=既存の領域にとらわれない
③左脳と右脳を往復
図解と言語化の両方をフル活用→右脳と左脳をバランスよく使う
レオナルドの膨大なメモは興味深い。未完成の作品が多いのは、未完の美を意識していたのかもしれない。見るものが未完部分を想像する。ゆえに作者と鑑賞者の感性コラボが生まれる。