巨人・ノキアに学ぶ「大企業復活の5カ条」

2019/4/15
iPhoneの登場前、携帯電話を制した企業があった。
フィンランドを拠点とする「ノキア」はスマホ登場前の携帯電話端末で、世界シェア4割を誇っていた。だが、iPhone以降のスマホの波に乗り遅れ、一時期は「終わった企業」とまで言われた。
しかし、ノキアはそれだけでは終わらなかった。
現在、基地局などの通信インフラでスウェーデンのエリクソン、中国のファーウェイに次ぐ世界第3位の開発ベンダーとなり、売上高を伸ばし続けている。
大きく落ち込んだ売上高を、順調に回復させつつある。
きっかけは、携帯端末部門のマイクロソフトへの売却だ。「凋落」の象徴とも受け止められた売却を機に、主要事業を大胆に入れ替え、新たな成長を推進してきた。
わずか人口550万人の小国から、世界のイノベーションを担い続ける北欧の巨人。その大胆な経営改革には、日本の大企業が学ぶべきヒントが満載だ。
NewsPicks編集部は、元NECの技術者で、現在ノキアの無線システム開発部門を担う、小松兼一氏に直撃し、ノキアの強さの秘訣を聞いた。
小松兼一(40)ノキアの無線システム開発部門・シニアエンジニア。NECからノキア・ジャパンを経て、2011年にフィンランド・オウルの現地法人へ。日本とフィンランド両方の大企業を経験し、日本企業とは異なるノキアならではの「強さ」を感じている。
小松 今ノキアを支えている通信ネットワークビジネスは、実は「捨てられた事業部」だったんです。