(ブルームバーグ): 配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズは11日、新規株式公開(IPO)を申請した。米国で今年最大のIPOとなる見通し。

米証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、ウーバーの2018年営業損失は30億4000万ドル(約3400億円)で、収入は113億ドル。過去3年間の営業損失は合計で100億ドルを超えた。

09年創業の同社は株式公開までの道のりに曲折があったが、投資家は数百ページに上る詳細な財務情報を初めて閲覧できることになった。事情に詳しい複数の関係者によると、ウーバーはIPOで100億ドル程度の調達を目指している。今月中にロードショー(投資家向け説明会)を開始して5月に上場する計画。

以前に財務情報の一部を公表している同社は、IPO申請でさらなる詳細を開示した。18年の純利益は9億9700万ドルだった。この利益を主に生み出したのは、東南アジアとロシアでの資産売却と、中国最大の配車サービス会社、滴滴出行への出資分の評価額上昇で、これらのディールがウーバーの「その他利益」に約50億ドル分寄与した。

同社は国際的な事業展開でライバルのリフトと差別化を図っているほか、料理配達など配車サービス以外のビジネスにも進出している。ただ、収入の大部分は配車サービスに依存。18年10-12月(第4四半期)の調整後純収入25億4000万ドルのうち、配車サービスは23億1000万ドルで、料理宅配のウーバー・イーツからの純収入は1億6500万ドルにとどまった。ウーバーはIPOの規模を10億ドルと登録したが、これは手数料を計算するために使われる典型的な暫定値で、今後変更される見込み。同社は「UBER」のティッカーで、ニューヨーク証券取引所への上場を申請した。同社のIPOはモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス・グループが主幹事を務めている。

ライバルのリフトは3月に23億4000万ドル規模のIPOを実施した。今年これまでの米国のIPOでは最大規模。リフトは発行株数を増やし、IPO価格は72ドルと、仮条件の上限に設定していた。その後、株価は下落し11日は61.01ドルで終了。時価総額は174億ドルに減少した。

ウーバーの筆頭株主はソフトバンクグループの関係会社で、出資比率は16.3%。トラビス・カラニック前最高経営責任者(CEO)は8.6%、ベンチマーク・キャピタル・パートナーズは11%それぞれ出資している。

原題:Uber IPO Filing Shows $10 Billion in Operating Losses Since 2016(抜粋)

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