[北京 10日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>の高級車ブランド「インフィニティ」は、初の電気自動車を約3年後に投入する。スポーティーセダンで、中国で生産する予定。

10日にも発表される公式声明をロイターが入手した。

今週、上海自動車ショーで発表する電動セダンのコンセプトカー「Qsインスピレーション」でイメージがつかめるという。

インフィニティのクリスチャン・ムニエ会長は声明で「中国は世界的に見て電気自動車で最も潜在的な成長力が高い。特に高級車がそうだ」と指摘した。

中国で事業展開する自動車メーカーは、政府の大気汚染抑制を目的とする生産割り当てを順守するため、電気自動車またはプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の「新エネルギー車」をより多く販売する必要がある。

今のところ、インフィニティ初の電気自動車モデル(eセダン)を中国以外で生産する予定かどうかは不明。だが、インフィニティの広報担当者は、中国から輸出する意向は持っていないと述べた。

eセダン投入は、インフィニティ車のラインナップで電動車モデルを大幅に拡充するという中長期戦略の一環。

インフィニティの幹部らはかねて、2021年から投入するモデルが電動車か「eパワー」と呼ぶハイブリッド車になるとの見通しを示していた。

eセダンについて、インフィニティは声明で、電動パワートレインに対応するよう、新しく柔軟な設計を採用する見込みを示した。

設計責任者のカリム・ハビブ氏は、デザイン、特に車内のデザインが現行モデルからかなり変わるだろうと述べた。

ハビブ氏は「フロアがフラットになり、車内で脚を組んだり伸ばすことができる」とロイターに語った。

中国の電気自動車市場は競争が激化している。高級車部門で、インフィニティは、テスラ<TSLA.O>のモデルSやモデルXのほか、レクサス、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW<BMWG.DE>各社が数カ月内に発売する予定の新モデルと競合することになる。

*内容を追加しました。