[9日 ロイター] - 米国株式市場はダウ平均株価が190ドル下落。トランプ大統領が110億ドル分の欧州連合(EU)製品に関税を課すと表明したことや、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを下方修正したことが響いた。

主要株価指数は軒並み値下がり。S&P総合500種指数は9日ぶりに反落した。

トランプ大統領は、EUによる航空機大手エアバス<AIR.PA>への補助金が不当だとして110億ドル分のEU製品に関税をかけると表明した。

また国際通貨基金(IMF)は2019年の世界経済の成長見通しを3.3%とし、1月時点の見通しから0.2%ポイント引き下げた。貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱がリスクとし、景気が急激に落ち込んだ場合、各国が協調して刺激策や金融緩和などの政策対応を強いられる恐れがあると警告した。

チェース・インベストメント・カウンセル(バージニア州)のピーター・タズ社長は「米中通商交渉が進む中でEU製品への関税は予想外だった」と指摘。IMFの見通しについては、今後数カ月で状況が軟化する可能性はあるものの、決算シーズンは目と鼻の先で、内容次第で流れが変わってくるとした。

決算発表では、デルタ航空が10日、米銀のJPモルガン・チェース<JPM.N>とウエルズ・ファーゴ<WFC.N>が12日に決算を発表する。 リフィニティブの調べによると、1ー3月期のS&P500企業の収益は前年比2.5%の減少が見込まれている。

この日の相場では工業株<.SPLRCI>が1.4%安。個別銘柄では航空機大手ボーイング<BA.N>が1.5%安。1ー3月期の受注数は95機と、前年同期の180機から半分近くに減少したほか、新型機「737MAX」は墜落事故が響き、3月の受注がゼロになった。

アメリカン航空<AAL.O>は1.7%安。ボーイングの737MAX8型機の運航停止、および米政府機関の一部閉鎖により、第1・四半期の有効座席当たりの旅客収入の伸びが従来見通しを下回ると明らかにした。

カジノ運営大手ウィン・リゾーツ<WYNN.O>は3.9%安。同業の豪クラウン・リゾーツ<CWN.AX>との買収交渉を打ち切ると発表した。

前日最高値を更新したフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)<.SOX>はこの日1.1%安。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.74対1の比率で上回った。ナスダックでは2.70対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は63億1000万株。直近20営業日の平均は72億6000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26150.58 -190.44 -0.72 26243.5 26246.3 26103.1 <.DJI>

4 4 4

前営業日終値 26341.02

ナスダック総合 7909.28 -44.61 -0.56 7924.77 7945.55 7897.61 <.IXIC>

前営業日終値 7953.88

S&P総合500種 2878.20 -17.57 -0.61 2886.58 2886.88 2873.33 <.SPX>

前営業日終値 2895.77

ダウ輸送株20種 10645.42 -99.55 -0.93 <.DJT>

ダウ公共株15種 776.22 +1.42 +0.18 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1464.52 -16.86 -1.14 <.SOX>

VIX指数 14.26 +1.08 +8.19 <.VIX>

S&P一般消費財 925.47 -8.44 -0.90 <.SPLRCD>

S&P素材 359.38 -2.83 -0.78 <.SPLRCM>

S&P工業 637.24 -9.03 -1.40 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 575.66 -0.87 -0.15 <.SPLRCS>

S&P金融 438.18 -3.88 -0.88 <.SPSY>

S&P不動産 224.62 -0.71 -0.31 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 496.42 -6.48 -1.29 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1060.94 -4.16 -0.39 <.SPXHC>

S&P通信サービス 162.12 +0.04 +0.03 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1330.64 -6.99 -0.52 <.SPLRCT>

S&P公益事業 293.33 +0.77 +0.26 <.SPLRCU>

NYSE出来高 7.58億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物6月限 ドル建て 21635 - 105 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物6月限 円建て 21615 - 125 大阪比 <0#NIY:>