[ロンドン/ドバイ 5日 ロイター] - サウジアラビアが自国の石油について、米国が石油輸出国機構(OPEC)加盟国を反トラスト法違反で提訴することを可能にする法案を通せばドル以外の通貨で売却すると警告していることが分かった。サウジのエネルギー政策に詳しい3人の関係筋が明らかにした。

こうした選択肢はここ数カ月、サウジのエネルギー政策を担当する高官の間で話し合われていたという。関係筋の2人は、この計画がOPEC加盟国とも話し合われたとも指摘。別の1人によると、サウジ政府はまた、米国のエネルギー政策を担当する高官にもこの警告を伝達した。

米国の「石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)」法案が施行される可能性は低く、サウジがこうした対応を取ることはないとみられるが、このような思い切った措置を検討しているという事実は、サウジ政府が米国によるOPEC提訴の可能性にいら立っている様子がうかがえる。

関係筋の1人は「サウジアラビア国民は最後の手段としてドルがあることを知っている」と指摘。別の関係筋は「サウジアラビア国民はこう言っている。『米国民にNOPEC法案を通過させてみよう。崩壊するのは米国経済だろう』と」と述べた。

サウジのエネルギー省にコメント求めたが、回答は得られなかった。

米国務省当局者は「一般論として、未決の法案にわれわれはコメントしない」と述べた。

米エネルギー省にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

同省のペリー長官はこれまで、NOPECは予期せぬ結果につながる可能性があると述べている。