AIを利用した創薬、新素材開発の時代がやってきた
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「水の中でも固まるセメントが開発されれば、世界中の港が津波の恐怖から救われるかもしれない。」
冒頭の一文から否定して申し訳ないけれど、そんなものはとっくの昔にある。
セメントは水で固まる。それなのにセメントが海や川とか、たくさんの水の中で固まらないのは、水の流れでセメント粒子や砂や石が洗い流されてしまい、コンクリートとして一体性を保てないから。
それを改善するために開発されたものがいわゆる水中不分離性コンクリートというもので、粘性を高めることでコンクリートがばらばらに洗い流されるのを防ぎながら、水中でも硬化することができる。
これは化学薬品技術の開発によるものが大きくて、1975年に西ドイツで開発されたのが最初と認識されている。
この特殊コンクリートが開発される前にも、水中コンクリートの施工方法として敷き詰めた石の間にモルタルを注入するプレパックドコンクリート工法は1938年に特許が成立している。
とにかく、「水の中でも固まるセメント」はとっくの昔に開発されているけれど、「世界中の港が津波の恐怖から救われ」てはいないのは、明らかだ。
AIとか、それを材料工学に応用したMI(マテリアルズインフォマティクス)に関する記事の論調は、いつもこう。
AIで新しい素材や技術が開発されたとして、それを普及させることは人間にしかできない。絶対にできない。
でも現状、人間は人間が開発した技術のことすらよく知らない。
世の中の多くの人が思っているよりもきっと、AIのような流行りのものを含めて、科学技術は万能ではないし、できることはすごく限られている。
けれど世の中の多くの人は科学やテクノロジーの発展が便利さと直結すると思いがちだ。
たぶん、違う。
科学は僕たちにきっかけをくれるだけ。
ここにAIが影響する役割があるとすれば、科学が僕たちにくれるきっかけをますます増やすことで、だから僕たちはもっと科学について知らなくちゃいけない。
機械が学習してくれるからこそ、これからもっと人間は勉強しなくちゃいけないと、僕は思う。この”求める特性”というのがキーなわけなのだが,単一特性が求められる単純な世界でもなく,得られたデータの複雑性に意味付けができる科学者の脳みそがどうしても必要になる.新素材と呼べる価値・スケールでのAIを援用した材料探索はいつできるだろうか?(反語)
>>>人間は、求める特性をKebotix Platformに入力するだけ。あとはAIが、可能性のある化合物の構造データを無数に作り出し、別のAIが、その中から有望なもの数個に絞り込む。