• 特集
  • 番組
  • トピックス
  • 学び
プレミアムを無料で体験

【常岡浩介×安田純平】シリアで民主主義が実現する日は来るのか

NewsPicks編集部
253
Picks
このまま本文を読む
本文を読む

コメント


のアイコン

注目のコメント

  • badge
    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    シリアをはじめ中東のいくつかの国で抑圧的体制がなくならない、あるいはそういう体制が無くなると内戦がおさまらなくなる、というのは根の深い問題です。根が深い、というのは、悪い人間が数人いるからそうなっている、というわけではなく、人間関係や経済を含む社会のあり方が、そういう体制を維持してきている、ということです。
     「あのへんの地域はああいう社会だから押さえつけていないとバラバラになって内戦になってしまう、だからしょうがない」というようなあきらめ、もしくは関わりたくないという意見もあります。しかし、現地の人たちにすれば、あんまりです。抑圧的な体制は、経済的な非効率、利権を独占する特権層と結びついており、経済の発展を阻害しています。インフレによる生活必需品の高騰や数十%の失業が起きた時に、人々の不満が抑えられなくなる時は来ます。
     一ついえるのは、抑圧的な体制が社会から多様性を奪ってきたために、政権交代がうまくいかないということです。チュニジアでは労働組合やイスラーム系NGOなどが一部残っていたため、ベンアリ政権が倒れた時に、何とか政権交代の受け皿になることができました。シリアの場合、労働組合など実質的には存在しないし、イスラーム関係も極度な御用学者や御用学校のようなところしか存在を許されませんでした。ジャーナリズムにしても同様で御用新聞、御用メディアしか存在していませんでした。
     民主主義というのは空理空論ではなく、社会に多様性があることを保障し、様々な問題が起こった時に調整しながら解決できるようにするための仕組みです。複数政党制も市民社会も相当なコストのかかるものですが、着実に育成し、維持していかないと、いざという時に破滅的なことになる、という例を今のシリアやリビア、イエメンは示しているし、スーダンなどいくつかの国もその瀬戸際に瀕しています。


  • 暦オタ・ガジェオタ・ミリオタ・時々謎のPro Picer

    私はこの問題についてはジャーナリストの人達とは少しちがう考え方を持っています。

    アサド親子によるシリアがバース党の一党独裁であり、又少数派のアラウィー派が多数のスンニ派を支配する歪な支配構造からくる強権的、非民主主義的な国家であったことは紛れも無い事実です。
    私自身もかつて3週間ほどシリアを旅行したことがありますが、当時は平和で安定した社会ではあったものの、政治の自由度はほぼ皆無だったと感じました。

    しかし、だからといって2011年から始まり、未だ終わりの見えないシリア内戦がここまで凄惨な事態になった責任はアサドとバース党政権だけにあるのではありません。

    シリア内戦の初期、シリア周辺諸国はそれぞれの政治的な思惑からアサド政権の転覆と、自国に都合のいい勢力によるシリア支配を望み、大量の武器弾薬、多数の傭兵をシリアに送り込みました。

    しかしその侵略行為は、悪のアサド政権を倒す自由の戦士への援助と美化され、膨大な量の兵器がシリア中に行き渡たり、結果として凄まじい数の無垢の市民が犠牲になったのです。

    しかし多くのメディアはこれを一方的にアサド政権、後にIS(元々は各国に支援された組織の一つだった)にすべての責任を負わせ、武器をばら撒いた干渉国とその後押しを受けた軍事勢力を事実上免責するのに大きな役割を果たしました。

    もちろんそれは、結果としてそうなったのであって、彼らの真意ではなかったのだと思います。
    しかしいかにメディアが自由や民主主義を唱え、本当にそれを信じていたにしても、ことシリア内戦については、結局は国際政治の暗部を取り繕うために、政治的に利用されただけの存在だったのだと私は思うのです。


  • コンサルタント(元NewsPicks記者)

    日本ではISの規模や残忍さにフォーカスが当てられることが多いですが、まずは「アサド政権側ー反政府側」という枠組みを知ることが重要です。

    アサド政権による市民への抑圧は、なかなか終わりません。
    独裁が一度成立すると、民主主義の実現が難しくなってしまうのだと感じさせられます。

    また、日本のジャーナリズムのお話は、私自身も、もっと努力しなくてはと思わされました。

    メディアの発信や姿勢は、世間にはまだ浸透していない、新しい視点を含んだものであるべきだと思います。しかし、むしろ世間よりメディアの方が遅れていることも多々あります。(個人的には、ジェンダー関係でよくそれを感じます)

    新しい視点を取り入れるには、当たり前ですが、その分野を熟知していなくてはなりません。そして、そのためには勉強と綿密な取材が必要です。

    後編では、2015年から2018年まで、安田さんがシリアで拘束された経験について聞いていきます。


アプリをダウンロード

NewsPicks について

SNSアカウント


関連サービス


法人・団体向けサービス


その他


© Uzabase, Inc

マイニュースに代わり
フォローを今後利用しますか