【The UPDATE】仮想通貨は死んだのか?

2019/3/30
毎週火曜夜9時からTwitterで配信中の『The UPDATE』。今回のテーマは「仮想通貨は死んだのか?」。仮想通貨取引所を運営する会社の代表取締役や慶應大学経済学部の教授や技術者など、多彩なゲストを招いて議論しました。

番組を視聴するには、番組公式Twitterアカウント(@TheUPDATE_NP)をフォローしてください。火曜夜9時のライブ配信の開始をTwitterでお知らせします。
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暗号通貨の歴史をふり返り
2008年10月、全ての始まりとなるサトシナカモトのビットコイン論文が公開され、翌年1月には最初の「ビットコイン」取引が行われました。
また、2015年に「イーサリアム」のβ版がスタートしています。
その後、2011年6月に仮想通貨取引所のマウントゴックスがハッキング被害を受けました。
さらに、2014年9月にサービスを開始した仮想通貨取引所のコインチェックも、2018年1月に約580億円相当の仮想通貨「ネム」が盗難され、日本を騒がせる大きな事件に。
また、中国政府は2013年12月にビットコイン取引を禁止。一方、日本では、2017年4月にビットコインの法規制を定め、2019年3月には金融商品取引法などの改正案を閣議決定されました。
最後に、ビットコインとイーサリアムの価格の推移を見てみると、ビットコインは、2018年に最高額の1BTC=約20,000ドルを記録。
現在はその価格の20%程度で推移。また、イーサリアムも2018年に最高額の1ETH=約1,400ドルを記録し、現在はその価格の10%程度で推移しています。
そこで、今回の『The UPDATE』は「仮想通貨は死んだのか?」をテーマに議論しました。
仮想通貨は死んだのか?
古坂 まずは、「仮想通貨は死んだのか?」についてそれぞれ持論を発表してもらい、そこから議論をスタートさせたい。
坂井 今は、バブルも乗り越え迎えた「最初の黄金時代」。仮想通貨は生まれたての赤ちゃんみたいな存在。この時代をみんなで楽しめばいい。
それなのに「死んだのか?」と問われたら、ここにいるみんなが怒るのは当然。
田口 2019年は仮想通貨にとって「生死の分かれ目」。ただ、その後も存在はし続けると考えている。今は仮想通貨が既存の金融産業に割り込んでいる状況。
世界的に法制度化が進んでいるのは、もともとそこにいた人たちから許可を与えられているようなもの。
栢森 私にとって仮想通貨とは「希望」。2018年3月に仮想通貨をやっている人を対象におこなったアンケート調査でも、「希望」「可能性」「未来」という言葉が並んだ。
ビットコインが生まれたのは、リーマンショクの翌年。だから、自分たちの資産は自分たちで守ろうという希望が込められた通貨。
白石 ビットコインは死んでいない。「むしろ、始まり(死んだら困る)」と思っている。我々がお金と呼んでいる日本銀行券は、政府が価値を定めているだけ。
一方、仮想通貨は仕組みによって価値が定義されている。どちらの価値の源泉を信じるか?という話になってくる。
既存通貨との交換手段としての価値
古坂 ここにいるみなさんは、仮想通貨をやっていない人に対してどう考えているのか?これは世界中の全ての人がやった方がいいものなのかどうかを知りたい。
坂井 今のところ法定通貨をビットコインに替えるというプロセスを経ないと手に入らないから、みんな自分の好きな通貨を勝手に使えばいい。ビットコインに惹かれる人はそれを買えばいいだけ。
田口 仮想通貨は、みんなで通貨の振る舞いをするものをつくろう!というところから始まった。でも、現状だと栄養をもらっているのが既存の通貨。
だから既存通貨との交換が前提になってしまい、論理上の矛盾が起きてしまう。
そのため、仮想通貨にとって一番の脅威は、既存の通貨との交換手段がなくなること。そうなる時でも仮想通貨を信用できると思う人が大多数いれば、本物の通貨として成り立つ。
箕輪 つまり、流通量が大事。国というものがなくなったらみんな困るし、どうしようもないから、法定通貨は信じざるを得ないだけ。
仮想通貨はまだみんなが使うというところまでいっていない?
田口 USドルはオイルの決済の大半に使われているから、オイル決済の専属通貨として特別な地位を築いている。
他の国の法定通貨は、そのUSドルと交換できるということで信用され、価値が維持できている。また、法定通貨は課税制度に組み込まれ、国が体制を整えるために使われていることが大事。
箕輪 だから法定通貨からピシャリと締め出されたら辛い。中国のように統制したい国家的には、仮想通貨は排除したいもの?
田口 徴税の仕組みを脅かすものになると排除される。法定通貨と紐づけないのであれば、USドルと石油の関係と同じように新エネルギーみたいな圧倒的なものと紐づけられれば独立できる。
ただ、発行元がいないから、そういう動きがしづらい矛盾もある。
仮想通貨で世界はどう変わるか
佐々木 ここからは、仮想通貨は死んだのか?ではなく、どうすれば繁栄していくのかを議論していきたい。
箕輪 仮想通貨は、信頼の仕組みとか消去法の話が多く、ぶっちゃけワクワクしない。それで世の中どう変わるの?今までできなかったどんなことが実現できんの?という世界が変わる話がしたい。
栢森 仮想通貨はお金をデジタルにした。しかもそれが国や中央銀行ではないところが発行していることが大きい。
日本のように国が安定し、法定通貨が地位を確立していればいいが、そうじゃないところもたくさんある。また、決済や送金など地域や国境を超えて使える。
しかもその技術が進歩の途中だというところに、無限の可能性がある。
白石 「インターネットっぽい」というのが仮想通貨のポイントだと思っている。インターネットの魅力であるボーダーレスということが、サービスでは起こったように、それに合ったお金のかたちも進化していくべき。
その形の一つが仮想通貨だと考えている。
少額決済とスマートコントラクト
田口 アマゾンやグーグルのような企業が、ブロックチェーン技術を使って、自分たちのところだけで使える電子マネーを発行することもできる。
発行体が明確になれば違う可能性も生まれる。
古坂 ディズニーのファストパスってお金で買えないからすごく価値がある。
それと同じように、アマゾンの発行するコインでしか買えないすごくいい物があれば価値になっていく気がする。そのためには、歴史と多くの人に揉まれるということが重要かもしれない。
今週の乱入ゲストは、ブロックチェーン 暗号通貨メディア 「あたらしい経済」編集長の設楽悠介さんでした。
設楽 今まで銀行などが介在することによって発生していた手数料がなくなる。そうすること今までお金が払えなかったようなものにまで支払いができる。
例えば、オフィピーク出勤をすると0.1円がその人に入るみたいな制御も可能。
また、イーサリアムは、お金にアプリを載せることができる。例えばコンビニでお酒を買うとき、お金に年齢を入れておくことができ、年齢確認が必要なくなる。
古坂大魔王が選んだ今週の金言
番組中盤には、仮想通貨メディアの編集長設楽さんが客席から乱入するなど、白熱した知の格闘技が展開されました。
そして最後は、番組MCの古坂大魔王が選ぶ「King of Comment」
古坂大魔王が選んだのは、栢森さんの発言でした。この発言がどんな文脈で飛び出したのか、ぜひ本編をご覧ください。
次回は「シェアエコ」で議論
4月2日(火)のテーマは「なぜ日本でシェアエコは広がらないのか?」です。
元Uber Japanの安永修章さんをはじめ、シェアリングサービスの当事者や、法規制に詳しい弁護士らをゲストに招き、今後の日本でシェアエコが普及するかどうかを議論します。
<執筆:折茂彰弘、編集:安岡大輔、デザイン:斉藤我空>