全固体電池はマテリアルズインフォマティクスで、変わるパナソニックの材料研究
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マテリアルズインフォマティクス(以下、MI)についてパナソニックの方がインタビューを受けて、固体電解質の探索に活用している話をされております。
MIは今後必要になってくる点は同意しますが、あくまでエンジニアリングの点でとしたい思いがあります。
つまり組み合わせや系が確定された中での最適解を、与えられた選択肢(元素)から求めるのにMIは役立つと思います。そして最適解探索は、今までは研究開発の1つとされてきました。これがMIを利用出来るようになれば、アウトプットは1つに定まるので、エンジニアリングの領域に移るとも言えます。
ただしインプットとしてのデータをどこまで幅広く持てて、かつアウトプットがおかしい場合にエンジニアリング的にデータを修正したり微調整していくことが出来るかが鍵になるでしょう。
個人的にはMI信奉者は、大概アスペクト盲だと思っております。自然科学の領域なので意味は1つしか無い!と勘違いしやすいのですが、材料科学が捉え切れていないだけで第一原理計算も1つの規範やルールに過ぎません。
他の意味や解釈、見方が出来るといったアスペクトゲーム的対話が出来る余裕や人材が少なくなっているのではないでしょうか。日本の材料科学研究の強みは本来へそ曲がりで頑固な研究者がたどり築き上げてきた、他者との議論や意地のようなところだと思います。
MIやりたい方は恐らく材料研究を体感されたことが無いと思いますし、現状の理論から逸脱しない真面目な方だと思います。でも曖昧な立場で議論するよりも、依って立つ理論を明確にする点ではMIも見える化の1つの手法として良いと思うと同時に、材料研究におけるコミュニケーションの仕方も変わりつつあるのかもしれません。