【革新】メンタルヘルス問題に「ガチ」で切り込むゲーム業界

2019/3/31
うつ病や不安障害がテーマに
近日発売予定のアドベンチャーゲーム『シー・オブ・ソリチュード(Sea Of Solitude)』で、ヒロインのケイは、半分海に沈んだ都市を探索するうちに、赤い目をしたうろこだらけのクリーチャーの群れに遭遇する。
しかし、怪物たちよりも恐ろしいのは、ケイ自身の内面に潜む闇だ。
ゲームが進むにつれて、目の前のクリーチャーは、孤独になりすぎたあげくに怪物に変わってしまった人間だと気づいたケイは、生き延びるために自らの孤独と戦い始める。
ケイのモデルになったのは、ドイツのインディーズゲーム会社ヨーマイ・ゲームズのコルネリア・ゲッペルトCEO(37)。『シー・オブ・ソリチュード』のクリエイティブ・ディレクターでもある。
ゲッペルトは2013年にパートナーと別れた後、精神的に苦しんだ。当時は「檻に閉じ込められたように感じていた」という。
『シー・オブ・ソリチュード』は年内に、米ゲーム会社の大手エレクトロニック・アーツ(EA)から発売される。本作をはじめ、メンタルヘルス問題に取り組むゲーム作品は、近年増える一方だ。
昨年は、精神的な不安定さを抱えるヒロインが、さまざまな障害を乗り越えながら謎の山のいただきを目指すアクションゲーム『セレステ(Celeste)』が話題をよんだ。プレイヤーはヒロインを通じて、うつ病や不安障害への理解を深めていく。
2017年に発売されたアクションアドベンチャー『ヘルブレード(Hellblade: Senua’s Sacrifice)』は、若きケルトの戦士が自身の精神疾患(妄想、幻聴など)に向き合うゲームだった。
その他、『ナイト・イン・ザ・ウッズ(Night in the Woods)』や『プライ(Pry)』といったゲームでも、自己喪失、攻撃性の爆発、PTSDなどの心の病気を重要なテーマとして扱っている。