株式会社ユーザベースは2019年3月28日に、第11回定時株主総会を開催しました。76名の株主の皆様にご参加いただき、無事に審議を終了いたしました。
本記事では、株主の皆様からの質疑応答パートをリポートいたします。
(報告事項パートにつきましては、2018年12月期決算の内容を中心にお伝えいたしました。報告事項の詳細につきましては決算説明会リポートを、決議事項の議案については招集通知をご参照ください。)
「米国での有料課金立ち上げのため、規律をもって投資をしていく」 米Quartz事業に最大20億円――ユーザベース2018年12月期決算説明会レポート
Quartzのアプリランキングと、株主優待について
質問者1:
2つ質問があります。1つ目はQuartzについて。NewsPicksは国内なので肌感覚でわかるのですが、Quartzは日本にいるとなかなかわかりにくいと感じています。
Quartzを買収する前にアプリのダウンロードランキングを見てみると、NewsPicksとSmartNewsが20位ぐらいで争っている、アメリカで頑張っているなという感じでした。Quartz買収後にランキングを見ると60〜70位あたりと、かなり低くなっていました。
このランキングが下がっている理由を教えてください。
2点目は、株主は皆あったら良いと思っている株主優待について。全員にクオカードを配る必要はないと思いますが、御社の場合はNewsPicksやSPEEDAなどのサービス利用を、追加コストをかけずに提供できるのではないか。経営としてネガティブと聞いているが、理由をあらためて教えてください。
稲垣:
1点目は梅田からご説明いたします。
梅田:
Quartzのダウンロード数が上がっていないことにつきましては、マーケティング方針による部分が大きくなっております。Quartz買収にあたってブランド変更がありましたので、現在のマーケティング方針としましては、既存のNewsPicksユーザーにQuartzに移っていただくことに重点を置いています。
現在、Quartzアプリとしてはまだユーザーの新規獲得に注力する段階ではないと考えており、プロダクトマーケットフィット(プロダクトとマーケットの整合性)に力を入れている段階です。こちらについては今期、相当のマーケティングコストを積んでおり、タイミングが来たと経営陣が自信を持てるタイミングが来たら、アクセルを踏める準備をしています。
稲垣:
2点目の株主優待につきましては私から回答差し上げます。
弊社の財務状態を鑑みますと、しっかりと事業計画を達成していくことが最終的に株主の皆様への還元になると考えており、株主優待は現時点では考えておりません。
私たちは社内でも「Growth Together」という言葉を使っており、様々な制度や福利厚生を増やしていくよりも、全員で売上目標を達成し、給与ベースを上げていくことでその成果を還元していきたいと考えています。株主優待につきましても同様に、様々な制度を増やすよりも、まずは事業目標を達成すること。ここから利益や売上が健全になっていき、皆様にもお返しできる選択肢が増えていくと現時点では考えております。
(稲垣追記:ご意見を受けて、経営チームであらためて議論いたしました。結論として、次回の株主総会までに何らかの優待プランを発表させていただくことを決定いたしました。私たちが第一に優先すべき事業計画の達成と、ご指摘いただいた優待を出すことの両立は可能ではないかと考えた結果です。貴重なご意見をいただき誠にありがとうございました。)
ユーザベースのブランド戦略について
質問者2:
御社のブランド戦略についてお伺いいたします。実施されているサービスのブランドがバラバラに展開されていると思います。共通のブランドで展開していくことは考えておられますでしょうか。
梅田:
ブランド戦略について私から回答差し上げます。ご指摘のとおり、ユーザベースグループとして共通のブランド戦略がなかったことは、率直に反省しております。
これまでのユーザベースでは、「こういう事業をつくりたい」という個人の思いが自己増殖的に広がって、新しいFORCASやamiといったサービスが生まれてきました。これが私たちの強さだと思っています。
ゼロからイチをつくり上げるフェーズはこの遠心力の強さが活きますが、一方でユーザーから見た場合の認知を上げて行く上でのシナジーや社員の求心力という面ではもっとグループ共通の象徴となるもの、即ち共通のブランドづくりに今後はもっと力を入れて行く必要性を感じています。
外への遠心力と、内への求心力が高次元でしっかりバランスするようなブランドをつくりあげたいと思っています。アウトプットとしてどうなるかは未定なのですが、プロジェクトとしてはすでに社内で走っておりまして、今年私がやっていきたい大きなテーマの1つだと捉えています。
Quartz黒字化の時期と、最大のリスクについて
質問者3:
NewsPicksを毎日楽しみに拝見しています。また、御社のディスクローズに対する真摯な姿勢にも共感しております。質問はやはり米国Quartzの事業についてです。経営陣の皆様は、現時点でQuartzの黒字化の時期をどのくらいで見ていらっしゃるのでしょうか。
米国事業は私たち株主としては夢がありますし、大いに応援していきたいところですが、どのようなリスクが一番大きいと思っていらっしゃるかを伺えればと思います。
梅田:
私たちは常々、事業づくりは3年と考えております。3年で事業をつくりあげ、サステナブルな状態、すなわち黒字化をする。Quartzにつきましても同様に、3年を時間軸と考えていただければと思います。こちらの進捗については、今後もご報告してまいります。
次に米国事業の一番のリスクについて。メディア事業ですので、日本と同様に、最終的には「人」に行き着くと考えています。ユニークな価値のあるコンテンツをつくれる記者や編集者はもちろん、コンテンツを読者に届ける仕組みをつくるエンジニアも重要です。グローバルでトップクラスの人材に来ていただける会社にできるかというのが、事業の肝でありリスクでもあると言える部分だと思います。
役員報酬拡大の意図について
質問者4:
第4号議案『監査等委員以外の取締役の報酬等の額設定の件』で役員報酬を拡大しておられますが、誰か特定の優秀な方がジョインする予定なのか、入社予定はないけど将来のために確保されているのか、どちらでしょうか。
稲垣:
現時点では、明確には決まっている予定はございません。
将来のために各事業において役員の数はもっと増やしていくべきだと思っています。シンガポールや米国は報酬の水準が非常に高くなっていますので、本当に入っていただきたい方に魅力的なポジションと報酬を提示できるために準備しておきたいと考えての議案でございます。
景気悪化におけるリスクについて
質問者5:
これまでの数年間は日本、海外ともに景気が拡大してきましたが、最近は先行きが不透明だと言われています。御社はB2BとB2Cの両方をやられてたり、ユーザー課金と広告をバランスさせたりと強いポートフォリオを持たれている印象ですが、もし景気が悪化した場合のリスクの考え方を教えていただけますでしょうか。
稲垣:
こちらはCFOの千葉よりご説明申し上げます。
千葉:
不景気のリスクに対する備えと対策は、事業ごとに変わってくると考えております。
まずB2B事業のSPEEDAやFORCASについては、年間契約をベースにしておりますので、すぐに業績に直結するものではございません。しかし解約のリスクは常にございますので、お客様の日々の業務でどれだけ使い込んでいただくか、必要不可欠なサービスと感じていただくかを愚直に追いかけていくべきだと考えております。
B2CのNewsPicksにつきましては、まず広告売上が影響を受けると考えております。ただ私たちが扱っているのはプロモーションのための広告ではなく、企業のブランディングや採用をサポートする広告がメインですので、景気減退の中でも人材採用を行う企業があれば、いずれ回復に向かうものと考えております。
財務的な話にはなりますが、今年の売上計画につきましては、考えられるリスクを織り込んで、かなりコンサバティブに策定しております。もし何か売上に影響ある事象が起こったとしても、それをカバーできるように考慮した上で、今期運営しているとご理解いただければと思います。もし想定以上に影響のある事象が起きて公表した業績予想を修正する必要が出た場合には、投資家の皆様に丁寧にご説明させていただくつもりでございます。
稲垣:それでは時間となりましたので、議案の採決に移らせていただきたいと思います。ご質問いただいた皆様、ありがとうございました。
(この後、議案の採決が行われ、全ての議案が承認可決されました。)