【落合陽一×三浦崇宏】クリエイティビティをアップデートせよ

2019/3/29
毎週水曜夜10時からの『WEEKLY OCHIAI』。3/27のテーマは「クリエイティビティのアップデート」。The Breakthrough Company GOの三浦崇宏さんをゲストにお迎えし、クリエイティブとは何か議論しました。
視聴はこちら(タップで動画ルームに移動します)。

今の時代のクリエイティブとは

クリエイティブエコノミーの台頭で、あらゆる場面で必要とされる「クリエイティビティ」。
この日のWEEKLY OCHIAIは、クリエイティブとは何かを議論した上で、WEEKLY OCHIAIのリブランディングに取り組んだ。

言語と感覚の往復を繰り返す

三浦 クリエイティブって、更新すること。今、世の中にないものを一個作れるか。そのために、ロジックもあるだろうし、マーケティングが必要なこともある。
落合 アニマルスピリット。「合理性のない跳躍」の気もする。更新って考え方だと、あらゆる文化は最先端だから。すごいすっ飛ばしたけど。
三浦 あるものがあって、そこに新しいものを生み出そうとした時に、論理だけでは動かないことがある。
今って、言語化が上手いことが褒められがち。言語化も大事だけど、言語化できないことの方がはるかに大事なことが多い。
そこに鼻がつくかどうかが、クリエイティブであるかの最後の1ピース。
それが、落合さんが全部すっ飛ばして、アニマルスピリットと言ったって話。
三浦崇宏(みうら・たかひろ)The Breakthrough Company GO PR/Creative Director。2007年博報堂入社、2017年に独立。カンヌ広告祭・日本PR大賞・フジサンケイグループ広告大賞・CampaignASIA Young Achiever of the Year2013・ADfest・2016年カンヌライオンズクリエイティブフェスティバル ゴールド・グッドデザイン賞金賞など。
落合 そうそう。言語と感覚の往復が早いのがクリエイティブの基本。
跳躍したものを固めることを繰り返していかないと突破しないからね。
三浦 言語化できない何かがあって、追いつくために言語がある。それを周りに伝えなきゃいけない。普通の人は、言語になったものしか形にしようと思えない。
クリエイティビティの大前提として、更新がある。更新する時の中核が、アニマルスピリット。

クリエイターは現象をつくる人

三浦 アーティストやクリエイターは、ある一つのコンテンツというよりも、そのコンテンツも含めた「現象」をつくれる人。
新しい世界像を描くだけだとダメ。それを実現するのに、手段を選ばない人間がかっこいい。
会社なんか作りたくない起業家もいる。
だけど、新しい世界像を描いちゃって、それを作らないと死ねないと思った時に、一番早い手段が起業だから、会社を作っちゃった。
それが絵でしか表現できないと思ったら、画家になるだろうし。
レオナルドダヴィンチって、今いたら政治家とか投資家になっていた可能性があるじゃない。実際、彼はそういった活動していた。
新しい世界像を実現させるために手段を選ばず生きていく人が、今の時代のクリエイター。

新しい価値と社会の接続こそ価値がある

──だから、ビジネスマンにクリエイティブが必要だと言われるんでしょうか。
三浦 ビジネスマンに必要なクリエイティブは二つ。世界像を発見するリーダーの力と、世界像を理解して伝達するフォロワーの力。
少し違うけど、両方クリエイティビティの話。
落合 作法とか、文脈とか、ルールを作っていく人もクリエイティブとして重要。つまり、社会システムを構築する立ち位置。
一見すると、クリエイティブじゃないけど、ソーシャルハックな仕組みは、すごく価値が高い。
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。
それと、我々が体験できたり、頭で理解できたりする仕組みの外側にある、フレームを作っていく人も会社には要るかな。
その人達は、多分自分のことをクリエイティブだと、あんまり思っていない。それを発掘して、褒めるのは結構大切。
三浦 新しい意味が生まれ、言葉を表現した。それを既存の価値観とどう接続させて、普及させていくかのプロセスがある。
それはルールの運用にすぎない、クリエイティブじゃないと思われがちだけど、実はそこの接続こそが、実現に対してすごい価値を持つ。
落合 税とかね。
三浦 税とか、ルールとか、モラルとか、ついつい見落としがちになるけど、新しい価値をそれらに接続するのって、めちゃくちゃ大事。
落合 その辺は結構あるかも。要は、ジョブズ的なところには出てこないじゃない。だから、Apple Cardは面白い。

人間が切実な瞬間こそ面白い

番組後半では「クリエイティビティ」を実際に発揮して頂くべく、WEEKLY OCHIAIのリブランディングに取り組んで頂いた。
「知と人間性の殴り合いが見たい。」(三浦)
ざっくばらん、真っ向勝負の議論は、ぜひ本編にてお楽しみ下さい。
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次回は「チームをアップデートせよ」

4月3日は、リンクアンドモチベーション取締役の麻野耕司さんをゲストにお迎えします。
テーマは「チーム」。
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<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥、潘嘉敏>