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まず2014年に国軍がクー・デタで権力を握り、新しい憲法をつくりました。その制度のもとでの選挙なのですが、国軍に自動的に割り振られる議席も多く、上院ではどうやっても国軍派が負けにくいようになっています。下院が勝負ともいえますが、タクシン元首相派(タイ貢献党)は、第一党ではあるものの、政権を取るほどではありませんでした。 
 この選挙の概要ですが、
1.明らかな敗者は民主党です。かつては首相も出した老舗政党も、国軍派とタクシン派の争いに埋没して、地盤の南部以外では議席が取れず、小政党のようになりました。
2.タクシン派は、タクシン元首相兄妹が国外に逃れてはいますが、強固な地盤の北部では手堅く議席を取りました。
3.新党の新未来党は、比例票で大きな議席を取りました。国軍派とタクシン派の争いという長年の構図に飽き飽きした有権者の支持を集めたと見られます。ただし、選挙区ではほとんど勝てておらず、組織力は問題にならないほど弱い、という課題が明らかになりました。
タクシン派、というより、タイ貢献党が過半数をとっても、色々と問題があることは、年始に出した下記の記事で指摘をしています。タイ政治の構造的なポイントを理解したい方はご一読頂ければ幸いです。まさに、今からシンガポール発バンコク行きの飛行機に乗ります。

【川端隆史】進展か後退か。東南アジアが問う民主主義のあり方

https://newspicks.com/news/3554127

また、今週木曜日、シンガポール開催の下記イベントでは、タイを含む東南アジア主要国の政治情勢について触れる予定です。シンガポールにいらっしゃる方、近隣国の方は是非。

【蛯原×岡村×川端】激論!アジア経済のゆくえ
https://newspicks.com/news/3766756

明後日はJETRO主催のASEANビジネス会合に東京で出席しますが、タイの関係者からどのような話が聞けるか楽しみです。
もともと政権交代が起きにくい仕組みになっているので、政権継続はある意味予想通りの結果。それよりも、国民を完全に二分する政権支持構造は、これからも様々な問題を引き起こしそうです。
タクシン派が173議席を獲得し、第1党になる見通しではあるが過半数には至らない見込み。親軍政の「国民国家の力党」の軍主導の政権が継続される見通しとなりそうだ。