[ロンドン 20日 ロイター] - メイ英首相は20日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り短期のEU離脱延期を要請する。政府筋が明らかにした。

これにより、今後の選択肢には、メイ首相の離脱協定案の下での離脱、より長期の離脱延期、秩序なき離脱、2回目の国民投票が含まれることになり、離脱を巡る不透明な状況が続くとみられる。

首相官邸筋は「(首相は)長期の延期は要請しない」と言明した。

メイ首相のEU離脱協定案はこれまで2度にわたって議会で否決されたが、首相は来週にも3度目の採決を行う意向を示している。

官邸筋は、前に進む方法について合意できるよう議会にもう少し時間を与えるべきとの主張があると説明した。「ただこの国の人々は(国民投票から)3年近く待たされており、決められない議会にうんざりしている。首相も同様の不満を抱えている」と語った。

英国の政治情勢は混乱しており、メイ首相が具体的にどの程度の期間の離脱延期を求めるかは不明。

首相官邸の報道官はコメントを控えている。

メイ首相は自身の離脱協定案が議会で可決されない場合、離脱を6月30日以降に延期することを求める方針を示しており、離脱推進派の間では離脱自体が危機にさらされるのではないかとの懸念が浮上している。

ユンケル欧州委員長は独ラジオ局ドイチェラントフンクに対し「(EU離脱に関する)再交渉も新たな交渉もない。(英国に)これまで与えられた以上の追加的な保証もない」と強調し「われわれは積極的に英国に歩み寄ってきた。これ以上はできない」と述べた。

離脱期限延期を求める書簡はまだEUに届いていないとしている。

今週のEU首脳会議では英国の離脱問題が話し合われるが、ユンケル委員長は大きな進展は見込めないとの見方を示した。今週合意することはなく、来週もう一度協議する必要があるというのが現時点での印象だと述べた。

「合意なき離脱」は望ましくないが、英国は明確な提案が必要と指摘した。

*内容を追加しました。