企業経営においてチームビルディングは重要な課題だ。中途半端でありきたりの社内交流イベントでは、むしろ逆効果になる可能性もある。とりわけチームビルディングが喫緊の課題となる急成長企業では、どのような取り組みをしているのだろうか。Inc.5000にランクインした急成長企業5社に尋ねてみた。

1. マイケル・カーランド

Branded Group(ブランデッド・グループ)の創業者兼CEO〔建設業界〕
「わが社では毎年全社アンケートを実施しているが、一部の従業員から飲み会や勤務後のパーティーはやりたくないという意見が出ている。
そこで、これまではボランティア活動を企画してきた。昨年は、住環境の問題に取り組むNGOのハビタット・フォー・ヒューマニティに250時間のボランティア活動を提供した。
この前、初めて従業員の家族を招待するイベントを開催した。キックスケーターにテーブルサッカー、サンドイッチを楽しんで、家族同士が知り合った。これはとても好評だった」
・2018年のInc.5000ランキング 311位
・成長率 1576%
・売上高 1330万ドル(約14億8600万円)

2. ジョッシュ・メリック

Broadly(ブロードリー)の共同創業者兼CEO〔ソフトウェア業界〕
「中途半端に何かすると、強制的な感じがするだけだ。社内の交流も、会社の事業と同じくらい真剣に取り組むこと。適任者を任命し、まともな予算をつける必要がある。
人件費に1時間何千ドルも支払っているのなら、ピザの代金200ドルくらいたいした出費ではない。つまらないイベントでみんなに気まずい思いをさせるなんて、それこそお金の無駄だ」
・2018年のInc.5000ランキング 107位
・成長率 3529%
・売上高 470万ドル(約5億2500万円)

3. レリーナ・ディオス・シャーリー

HideIt Mounts(ハイドイット・マウンツ)の共同創業者兼CEO〔消費者向け製品およびサービス業界〕
「チームビルディングは、お互いをひとりの人間として見るところから始まる。
私は食べ物を囲んで集まるのが好きなので、月に1度、料理を持ち寄ったり、デリバリーを頼んだりして集まっている。みんなでゴーカート遊びやソフトボールもやったが、個人的にはテーブルを囲んでおしゃべりするのが好きだ」
・2018年のInc.5000ランキング 339位
・成長率 1465%
・売上高 230万ドル(約2億5700万円)

4. ヘザー・ブリーズ

SaviLinx(サヴィリンクス)の創業者兼CEO〔企業向け製品およびサービス業界〕
「当社はチームでの出張が多いのだが、ホテルの部屋をとる代わりにエアビーアンドビーを利用している。
ミシシッピ州の川に面した大邸宅やマンハッタンのアパートなど、これまでいろいろな場所に泊まってきた。一緒に食料品の買い出しに行ったり、たき火を囲んだり、アメリカンフットボールの試合を観たりする」
・2018年のInc.5000ランキング 617位
・成長率 812%
・売上高 1050万ドル(約11億7400万円)

5. テッド・ベイカー

Qalo(ケイロー)の共同創業者兼CEO〔消費者向け製品およびサービス業界〕
「当社では、会議室でありきたりなトラストフォール(後ろ向きに倒れる人を支えるゲーム)などやらない。
仲間意識を育てる手段としては、体を動かす活動を、とくに屋外でやっている。部署対抗のスポーツ大会を開いたこともあり、全員が競技に参加した。そういった活動は、スタッフの人間的な側面を引き出し、仕事での自信を高めるのに効果的だ」
・2018年のInc.5000ランキング 151位
・成長率 2792%
・売上高 2940万ドル(約32億8600万円)
*記事中のランキングと各種データは、2018年のInc.5000ランキングより。成長率は2014~2017年のデータから算出。売上高は2017年の数字。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Kate Rockwood、翻訳:高橋朋子/ガリレオ、写真:Natnan Srisuwan/iStock)
©2019 Mansueto Ventures LLC; Distributed by Tribune Content Agency, LLC
This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.