画家とプログラム開発者に共通する「頭の使い方」
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Airbnbの2人の創業者も、Airbnbに投資したYコンビネーターのグレアム氏も美大の出身だったんですね。特にグレアム氏の経歴がすごい。コーネル大で哲学、ハーバードの大学院でコンピューターサイエンス、フィレンツェの美大、デザインスクールまで出ているとか。日本でもそのうち科学とアートをまたがる学歴がブームになるかもしれません。増村さんオススメのグレアム氏のエッセイの日本語訳はこちらで読めます。
http://practical-scheme.net/trans/hp-j.html
後半から観察の重要性のお話が始まります。画家は想像以上に観察している時間が長かったんですね。藝大出身者です。日本画の創作と研究をしていました。今はビジネスやマーケティングの分野に身を置いています。それだけに、昨今のよくあるアートシンキングにはどうしても「ビジネス畑の人の、よくわからないものへの期待」が先行しているきらいが強くて、見ていてもどかしく感じることが多いです。
藝大とかになれば研究して論文も書くので言語は編めますがコンテンツの制作となると、必要な経験や価値観が少し異なるので難しいと思います。また、常に成果が問われるビジネスの世界に身をおいている人にとって、芸術の理解のためにコストを割くのが大変に難しい、というのも当然ですから、今この双方に橋渡しとなる存在が求められていることは芸術に新しい役割が与えられている様に見えて、個人的にはとても嬉しいです。芸術の世界の事がこうしてビジネスの側の言葉で語られているのは、とてもワクワクしますし、僕自身も増村さんのテキストを通して、自分の芸術観を深めるのがより容易になるのを感じています。
主観と客観を繰り返す、というはその通りだと思いました。ただ、デッサンを行うにあたっての増村さんの解釈は、やや抽象的かな、と感じました。僕の感覚では、デッサンは「脳のエンジンが・・・」というものではなく、紙の上に本来ありえない三次元を再現するための工夫と、対象そのものの持つリアリティの共存の比率を極限まで高める作業です。なので、画家が見るのは「脳に焼き付ける、プログラミングする、ため」というよりは空で案じられるようになるまで答え合わせを脳内で繰り返す、といった解釈の方が近いと感じています。この意味では九九の暗算を暗記するのと変わりません。
あと、ビジネスと関連付けて語られるにあたって、よく現代アートと経営者が紐付けられますが、この時、概念を創造する現代アートと、古典的な絵画などの芸術は本来分けて考えた方が良いと感じています。本来、アートは食べて美味しい料理、聞いて心地よい音楽と同質のもの、というところを出発点にして、そこから派生したものが、「意味不明だけどとりあえず面白がる」というところに繋がっているように思うからです。この辺りを体系的に整理されたテキストはみたことがないので、近いうちにやりたいな、と思わされました、笑
有意義な取材ありがとうございました。観察8割に強く共感します。
日常の風景も観察を意識すれば気づきに溢れてます。世の中は常に変化していますが、それに気がつけないのは、気がつける目を持っていないからです。
インテリジェンスの世界でも、日常的に入手できる情報から読み解いているので、観察眼を磨くことはビジネスにもスキルもアップにも広く通用する話です。