【規格外】「野鳥繁殖ゲーム」が異例のヒットを飛ばした理由

2019/3/16

発売直後から入手困難に

メリーランド州シルバースプリングに住むエリザベス・ハーグレイブの本業は、保健医療政策のコンサルタント。野鳥が大好きな彼女は、冬場は地元のアルテメジア湖公園で野鳥観察に精を出す。
公共政策の学位を持つハーグレイブは、10年以上にわたってシカゴ大学全米世論研究センター(NORC)で政策アナリストを務めてきた。
今ではフリーランスとなったハーグレイブは、こう話す。
「人助けがしたいと思って社会政策に携わってきたけれど、仕事を続けるうちに、同じくらいデータ分析が好きだということに気が付いたのです」
持ち前の分析スキルと野鳥観察という趣味をミックスして、ハーグレイブは新たな分野に足を踏み入れた──鳥をテーマにした「ボードゲーム」の製作だ。
「ウィングスパン(Wingspan)」と題されたこのボードゲームは、1月にストーンマイアーゲームズ社から発売されたばかりだが、すでに思わぬヒットを収めている。
(Lexey Swall/The New York Times)
「ウィングスパン」のリリースにあたっては、何百回ものテストプレーが行われたが、参加者の中には「野鳥のゲーム?」と困惑する者も少なくなかった。ゲームファンは通常、ゾンビやドラゴンや宇宙船に引かれるものだ。野鳥に対して身構えるのも無理はない。
ところが1月に予約注文が始まると、1週間で5000件もの注文が入る人気ぶりが明らかになった。正式なリリース日には供給が追いつかず、ストーンマイアーゲームズは「お詫び」を発表する事態に追い込まれたほどだ。