この連載について
黄色に染まった工場群とユニフォームをまとって、超高収益の工場自動化や産業ロボットをつくっているファナック。いま人工知能やIoTで変貌しようとする「秘密企業」の内側を、NewsPicksが追いかけた。
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トイレタリー国内首位。傘下にカネボウ化粧品。油脂、機能材料のケミカル事業と連携してトイレタリー製品の開発することで、高付加価値原料による他社との差別化や収益性向上を図っている。
時価総額
2.64 兆円
業績
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スタッフ1人当たりの年間人件費=500万円。
スタッフ1人分の仕事をするロボットの投資額=300万円/台 ✕ 2 =600万円。ちなみにロボットの導入では補助金が出ますので、もはやロボットがこなせる作業であれば、後者を選ぶのもよく分かります。
このロボットはパワーは弱くて、スピードは遅くて、持てる重量も限られている。そんなロボットが、たこ焼きを焼いたり、オニギリを詰めたり、医薬品の検査を繰り返したり、化粧品メーカーの生産ラインにと、あらゆる既存の生産設備のなかに広がっているのです。
ちなみに長崎のハウステンボスにある「オクトシェフ」では、たこ焼きのネタの注入から、焼き上がり前の「クルクル回転」する作業まで、このロボットアームがこなしています。非常に費用対効果が高いことを鑑みれば、ロボットたこ焼きビジネスは、けっこう儲かるのではないでしょうか(*勝手な推測です。大阪城前のたこ焼き店が億単位の脱税で摘発されていたので...)。
新しいビジネスアイディアも、このロボットから湧いてきそうです。どなたか良い計画をお持ちじゃないでしょうか。笑
「ロボットに仕事をとられる!」と言う意見もありますが、今のロボットで可能な作業は「定型作業、繰り返し作業」なので、「とられる」という感覚ではなく「解放される」という感覚に近いと思います。
製造業の工場の歴史をみれば、それと全く同じことが、工場から範囲を広げて社会全体で起きようとしているだけであることがわかります。
最初は、人間が手作業でやっていた部分を、今では、ほぼ全てロボットがやっています。
ロボットで可能な部分は、ロボットに任せて、人間は、人間しかできない「創造性」を発揮し、活かすために、スキルアップに励むべきだと思います。
産業用ロボットではなく、たこ焼き屋さんのようなところでも活躍するロボット。手軽に導入できる価格。
ロボットが日常化する時代がもうすぐです。
ファナックの協働ロボットは「緑ファナック」(①~③)で、数年前から注目されている(インタビューでの背広やビルなどが全てコーポレートカラーの黄色ななかで緑という点含めて)。
その後、COROという協働ロボットを手掛けるライフロボティクスを2018年に買収した(④)。しかし、その後、製品回収して自社製品で置き換える方針も出すという流れがあった(⑤)。
ちなみに記事に出ているユニバーサルロボットは半導体テスタ大手のTeradyneの傘下に2015年に3億ドルで買収されている(⑥)。あとはロボット大手のKUKAやBoschも協働ロボットを投入している(⑦)。
①https://newspicks.com/news/1280730
②https://newspicks.com/news/1366698
③https://newspicks.com/news/1482160
④https://newspicks.com/news/2813576
⑤https://newspicks.com/news/3136526
⑥https://newspicks.com/news/2901921
⑦https://newspicks.com/news/1526333
協働ロボットの後ろでは囲いの中で産業ロボットがせっせと動いていました。
産業用ロボットというと、イメージがあまりわかないかもしれないのですが、周りは人が入れないように「柵」がしっかり組まれています。この協働ロボットは、柵がなく、人の隣でロボットが一緒に作業し、手があたったりするとピタッととまります。人を控えめに、ちゃんとアシストしているのがはっきり分かりました。
「インダストリー4.0」を掲げるドイツではこういった協働ロボットがどんどん入っていると言われています、日本ではその流れがどう広がっていくのでしょうか。
人の仕事が無くなるとも言えなくはないが“解放される”に近いですよね。
ロボットの領域は「定型作業」「パターン作業」ですから。
人は人にしか出来ない「コミュニケーション」「独創性」といったことが重要視される時代はすぐそこに感じます。
それはAIで仕事が無くなると言われる問題も同じです。
AIが出来るのも、今のところ言われているのは現在既にある作業の「最適化」「改善」です。
ルーチン作業やマニュアルのある作業は代替するでしょう。
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が提唱しているように単純作業しか出来ない人材はAIに代替されて仕事が無くなるということです。
どのレイヤーの人材もこれからは独創性やコミュニケーションのスキルが高い人がバリューアップする時代ですね。
業務定義があいまいなので導入効果も見積もれず、本当の人員削減もできていません。
今後、働き方改革や人材流動化の錦の旗の下で、業務定義が進んでくると、ロボットやRPAの導入が加速するでしょう。そして、学習済みのロボットやRPAを導入すれば良いようになると、さらに普及が進むと予想します。
とはいえ、業務定義のハードルは思いのほか高いハードルです。
どうやったら崩せるか、正直妙案が思いつきません。
NPではコスト面での投資回収に目を向けられてますが、協働ロボットが導入されやすい背景には以下があるなと感じます。
・人員を完全にカットのではなく、人員がいる前提のため、ハレーションが相対的に起きにくい
・完全自動化に比べてライン設計含めたオペレーションが組みやすい
詰まるところ、投資回収もできて既存人員を大幅カットせずオペレーション変更負荷も小さくできるので導入されやすい、ということだと思います。但し、これはあくまで過渡期に求められているだけで、長期的にはカイゼンを積み重ねる中で全自動化の流れをたどるように思います。特に協働ロボットが導入されている三品領域は人間を入れることによる衛生面も考慮すると、先日の日清食品のリリースのように無人化を目指していくと思います。最も、SMBの三品事業者へのロボット導入という意味では協働ロボット市場は今後も拡大すると思いますが。