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確かに今こそ振り返りたい一冊。
この本に書かれているのは、メディアが信用されていた時代にPRエージェンシーがメディアを利用して国際世論への働きかけを行ったお話。当時はPRエージェンシーもプロだけれど、その働きかけを受けるメディアもジャーナリズムという武器でプロとして情報を判断する、という構図が動いている、という前提があって、プロ同士の、反則は基本無しの情報戦だったとも言えるでしょう。

さて、全員発信時代が来た今、トランプに代表されるように単に「言いたいことを効果的に言ってやれ!」という個人が、ジャーナリズムのチェックを受けることなくPRエージェンシーの手法どころか反則技まで使って、武器のない丸腰の一般人に働きかけてしまっているのが今の時代。だからオルタナティブ・ファイトやフェイク・ニュースで世論が形成されちゃう。

さらに反則を強化するために(メディア側の奢りやクオリティの低下も大いにあると思うけれど)自分の意見をチェックするジャーナリズムを上手いこと否定していくわけです。

日本の身近な例でも子宮頚がんワクチンの話などがあります。否定派はそもそもエビデンスもない、事例といっても万に一つしかない「副反応」という言葉で感情を煽ってお母さんに切り込む。論拠ないけど、感情に直接訴えかけ、ストーリーもシンプルでわかりやすい。True believerが生まれやすい構造です。

良識派はファクトで切り込むから、ワクチンの効果を煽ることなく正確に伝えようとする。しかしこれは大変複雑な情報でわかりにくく理解ができない。すると冷静に事実を客観的に見たら「ワクチン受けた方がずっといい」「否定派の意見に論拠は基本ない」という肝心な情報が抜け落ちて伝わってしまう。

ことに真面目にやろうとすると「絶対に副反応がないとは言い切れない」とかになっちゃいますからね…

私たちは今、玉石混交で多すぎる情報に、丸腰で一気にさらされているわけで、そのような中で「フェイクニュース」や「オルタナティブファクト」とどのように付き合うのか?については、新しいジャーナリズムの形が求められているのでしょう…言論の自由に伴う責任はあるはずで、誰がどうやって支えていくのか…

日本でもこの辺やってるのは藤代裕之先生の研究とかですよね。もっと注目してみていかなきゃな、と思った朝でした。