【佐山×堀江×楠木】仕事の9割はいらない。AI時代の働き方

2019/3/25

絶賛発売中の「NewsPicks Magazine」第4号では、「WHY WE WORK〜働く理由〜」と「ニューエリートの英語」を大特集しています。

やらなくてもいい仕事をしている

楠木 次のお題は「AI時代の生き方、働き方」です。人間にしかできないことは何か。それぞれの働く理由はどこにあるのか。いかがでしょうか。
佐山 昔、子供のころ母親からよく言われたのがね、「将来、何して食べていくんや」ということでしたね。つまり昔は仕事というのは食っていくための手段だったんですよ。
しかし今、そういうイメージで仕事を選ぶ人はいないと思うんです。私は基本的にお金は結果的に入ってくるものであって、実際にやりたいことやるのが仕事だと思ってます。
楠木 なるほど。堀江さんはどうですか?
堀江 生き方のアップデートみたいな話ですよね。結論として、今のような働き方は必要なくなってますよね。
だからみんな今よりも働かなくなるでしょう。そうなったほうが、たぶん全体の幸せ度合いは上がりますよ。
でもみんな、自分の身の回りの現状とか、これまで習ってきたことの中でしか物事を考えられない。
だから僕がこういうことを言うと、「とはいえ社会に必要な仕事はあるし、そういう人たちは必要でしょう」みたいなことを言って、僕を批判する人たちが多いんです。
楠木 社会に必要な仕事って、東京地検特捜部とか?
堀江 いやいや(笑)、でも実はみんな、やらなくてもいい仕事をしてると思うんですよ。
佐山 たとえば、どんな仕事ですか?
堀江 たとえば15年ぐらい前、まだ経済発展していないタイのバンコクに行ったら、わりと大きなビルの入り口にドアマンがいたんです。それで人が通るたびにドアを開け閉めしている。
なんで自動ドアにしないんだろうと思って聞いたら、「だって人を雇うほうが安いじゃないか」と言われて驚きました。
要は自動ドアの減価償却費よりも人間を雇ったほうが安いから、そうしているんですって。
佐山 昔、インドもそうでしたよ。おじさんがドアのところに立っている。
堀江 でもドアマンなんてつまんない仕事じゃないですか。僕は絶対やりたくないですよ。だけど、その値段でその仕事をする人がいるから、いつまでたってもドアが自動にならない。これは一例ですけど。
楠木 ええ、よくわかります。
堀江 世の中の仕事の99パーセントは、そういう形で置き換えられると思うんですよね。ロボット化や自動化のコストがまかなえたら、人間はつまらない仕事をせずに済むようになる。
だから、無人コンビニなんていう動きがなぜ出てくるかというと、みんなコンビニで働かなくなったからですよね。
コンビニのレジ打ちなんて、僕は昔っからつまんねえ仕事だと思ってて、実際にそう言ってすごい批判を浴びたんですけど、実際つまらない仕事だと思うし、そんなにお金も稼げないじゃないですか。なのにみんな我慢してやってる。だからダメなんですよ。