【猪瀬直樹】二宮金次郎に学ぶ「ゼロ成長」時代の行政改革

2019/4/14
二宮金次郎とは何者なのか
道路公団の民営化に当事者として取り組んでいた僕に対しては、永田町や霞が関、虎ノ門の関係者だけでなく、それこそメディアからも批判の嵐だった。そんな批判に耐えていた僕はふと、子どものころに見た二宮金次郎の銅像を思い出していた。
小学校に入学したころ、正門の脇に立っていた銅像に背後からよじ登って、何を読んでいるのかとのぞき込んだ。ひらがなは1文字もなく全部漢字だった。考えてみれば、『論語』など漢文の素読があの時代の勉強法だった。