【猪瀬直樹】道路公団民営化までの道のり。『道路の権力』

2019/4/13
道路公団民営化の序幕
2001年4月に小泉純一郎さんが総理大臣になり、小泉政権が誕生した。まさかそんなことが起きると思っていなかったから、政権発足後に小泉さんが掲げていた公約をきちんと見ていなかった。
郵政三事業の民営化とか、行財政改革などの文言は書かれていたが、日本道路公団民営化はちらっとも見えない。
おかしいじゃないかと思って、電話でアポを取り、官邸に行って道路公団民営化を進めるように進言した。
小泉さんは会って僕の説明を聞くなり、「『日本国の研究』の著者として、新任の石原伸晃行政改革担当大臣をサポートしてほしい」という。
『日本国の研究』を書いたときの強い危機感もあり、僕は全面協力の決意を固め、4月26日に小泉さんが組閣した直後の5月1日に、石原大臣と会って相談した。
石原行革担当大臣の諮問機関として行革断行評議会を設置し、僕がその委員を引き受けた。私的諮問機関だから、勝手につくってしまえばよいのだ。