【猪瀬直樹】処女作『天皇の影法師』。改元で宮内庁のテキストに

2019/4/10
戦後も「官僚主権」の日本
30歳目前に、雑文を書き続けるのではなく作品を書きたい、と漠然と考えていた。やるならやはり日本の近代をテーマに取り上げたいと思った。
戦後の一般的な感覚は、戦争が終わった1945年に線を引き、戦前と戦後を分けるのが当たり前になっている。しかし、その考え方が歴史認識を曇らせてしまうのであり、戦前と戦後の連続性、共通するところを捉えないと「近代」というカテゴリーにならない。