米「利上げ停止」が与えた衝撃、日銀は袋小路に追い詰められる
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この整理に従って出口を出るところまで行くのは確かに難しそう・・・ (@_@。フムフム
赤字国債に頼った政府の財政支出拡大と、国債買い入れを伴う日本銀行の金融緩和の組み合わせは、日本が低インフレで日銀が金利を低く抑圧している限り、問題が表面に出て来ません。国債を発行して財政支出を増やし続けたい政府と、その国債を買って金融を緩和したい日銀の思惑が一致するからです。
問題は何時表面に出て来るか。『「景気が過熱して物価・金利上昇圧力が急速に高まると、出口戦略は困難に直面する」ことは当然かつ既知のことだった』とある通り、皮肉なことではありますが、景気の回復その他の理由で日銀がインフレ目標を達成し、インフレ圧力が強まって、日銀が出口を探らなければならなくなった、その時です。そして出口政策は、政府の赤字と借金が膨らめば膨らむほど、日銀のバランスシートが大きくなればなるほど困難が増して行く。1000兆円の政府の借金と、550兆円にのぼる日銀のバランスシートに金利上昇が与える影響は、半端なものじゃないでしょうから。
『「公式表明」はともかく、実態としては、金融正常化への「出口戦略」を進める政策へ路線転換』といった辺りに、期待といった曖昧なものに依存して極端な緩和を進めた結果、潜在成長力を超える成長が続く環境下でも、出口を公けに語ることすら難しくなった日銀の姿を感じないでもありません。そうなると『「財政と金融のもたれ合い」抜け出せないリスク強まる』といった現象もむべなるかな。非伝統的金融緩和は非伝統的である分だけ慎重にやらなければならなかったはずで、実際そういう声もあったのに、大胆にやり過ぎたツケがいよいよ回ってきたということでしょうか・・・ (・.・;)米国の利上げ停止は遅かれ早かれ予想されていたことなので、衝撃でもないと思います。また、追加緩和シナリオも念頭にあるはずで、むしろ2018年が良く持続的に成長したな、との印象が個人的にはあります。
日銀の金融政策緩和の縮小についていくつかのフェーズに分けて整理されていますが、YCC(イールドカーブ・コントロール)においては、金利が優先されるため、量のコントロールが難しくなるため、このシナリオ通りに実行することはオペレーション上かなり難しいです。また、国債を買えば買うほど日銀の影響力が高まりますので、量は徐々に減る可能性も高いです。したがって、このフェーズ分けはいろいろとミスリーディングだと思います。
公債の名目GDP比率のグラフはなかなか考えさせられます。グラフだけをみると、財政健全化が進んでおり、この記事の主張する財政規律の弛緩はみられておらず、むしろ引締めですね。「日銀の出口戦略については、筆者は、そのゴールを「日銀当座預金残高を法定準備額前後まで減らし、日銀がオペを通じて政策金利を操作できるようになること」と定義」
この定義は二つの条件を言っているわけだが、前半の準備云々は意味があるとは思えない。後半の政策金利の操作は別にやろうと思えば今でもできるが、プラス金利のことを言っているのであれば、ここ20年ほとんどできていない。もちろん、それらが「問題なく」できる環境かどうかというのは多分に主観的な話にしかならないだろう。