【3分読解】スマホで「買わせる」ための、9つの力
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こういった「傾向」は、昔からマーケターの間でなんとなく共有されていて、それを使ったマーケティングは実践されて来ていた。あえて誇張する言い方をすれば、知ってるのと知らないので結果に差が出るちょっとした豆知識的なものであった。
でも行動経済学の考えかたと、行動データが撮れる環境が整ったことで、こういった「傾向」をきちんとデータで把握できるようになってきた。データはどんどん取りやすく分析しやすくなってるから、マーケティングはもっと科学的になり、データを持っていないと勝負にならなくなるだろう。
しかしいくらデータが取れるようになったとはいえ、魔法のように結果が導き出せるわけではない。その使い方の勘どころを知る者とそうでないものの格差も一気に広がっていくだろう。
マーケティング投資とマーケティング人材育成は本当に急務だと思う。私はよく出張で、ブッキング・ドットコムというサイトでホテルを予約するのですが、いつも「この宿泊施設は他に3人が閲覧しています」とか、「このセールはあと2時間です」といった文句に、猛烈に煽られてしまいます。
インタビューをしたアニンディア・ゴーシャ氏は、世界で30億人以上が使っているスマートフォンとモバイル広告を通して、人びとが「なぜ買うのか」を科学した人物です。この本も読み始めはとっつきにくかったのですが、読むほどに、面白かったです。なるほど、自分は自由に買い物をしているつもりでも、すごくパターン化された人間なのかなあと思って、ちょっと切なくもなりました。
また消費者の提供する個人データと、広告やサービスを提供する企業の関係性やフェアネスというのは、フェイスブックに代表されるように、世界的に議論になっているトピックです。記事ではいくつか本書のエッセンスも抜粋しているので、その面白さをクイックに分かってもらえと思っています。
今まではプロの商売人にはわかっていたけど物理的、技術的にできなかったことを、データで可視化し、ピンポイントで当てられるようになってしまいましたね。それにしてもこのキャンペーンは強烈。。
"時間が経過するにつれてどんどん割引率が下がっていく仕掛けで、割引率は100%(つまり無料)から、1秒あたり1%づつ減ってゆく。ある来店者は、受け取った瞬間にミート・パックの店舗に向かって、89%の割引を受けていた。"