【直撃】すかいらーくが見出した、GAFAの「価値の本質」

2019/2/17
かつて日本の外食市場を作り、「ファミリーレストラン」という言葉を生んだすかいらーく。
2月13日、同社が新たな戦略説明会を開催した。その内容が実に衝撃的だ。全国約3200店舗あるこの企業が、「GAFAのようなテクノロジーを駆使した会社に変わる」と宣言したのだ。
果たしてこれは何を意味するのか。IT化が進まず、サービス内容や生産性が向上しないと言われる外食産業において、すかいらーくはどう変わろうとしているのか。
昨年、すかいらーくのCMO(最高マーケティング責任者)兼CTO(最高技術責任者)に就任し、デジタル化の旗振りを担う元Googleの和田千弘氏に話を聞いた。
和田千弘(わだ・ゆきひろ)/取締役常務執行役員CMO兼CTO。1992年第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入社。大蔵省大臣官房調査企画課やマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社などを経てインターブランドジャパン代表取締役社長CEO、グーグル日本法人事業戦略部門長兼分析統括責任者、シャディ代表取締役社長兼CEOを務める。2016年にすかいらーく社外取締役に就任後、2018年7月より取締役常務執行役員としてマーケティング本部を担当し、2018年12月よりIT本部マネージングディレクターを兼務。

外食は「ブルーオーシャン」だ

──グーグルでデータ解析の責任者をされていた和田さんから見て、外食業はどのように映っていますか。
外食産業の経営者は基本的に、どのようなメニューにして、どれだけ美味しい商品を提供できるかということに9割の意識が向いていました。
食べることや、料理を作って人に提供するのが好きな人が店を始めるケースが多いわけですから、当然ですし、極めて正しいことです。
ただし、一方で外食産業を知れば知るほど、いかにIT化による変革のポテンシャルが高いかということに気づいていきました。
すかいらーくのCMO兼CTOに就任する以前、インターブランドという外資系のブランディング会社の社長をやっていて、2016年から社外取締役として、すかいらーく全体のブランディング戦略にアドバイスをしていたんです。
──和田さんには、外食が「ブルーオーシャン」に見えた。
ええ。外食産業の外を眺めると、例えば小売業も最近までIT化は手付かずの状態でしたが、外食より先に取り組み始めましたよね。