【新潮流】アディダスの即完シューズを作る、ユニコーンの秘密

2019/2/24
シューズメーカーのアディダスが虜になった。
彼らが惚れ込んだのは、光と酸素で靴のミッドソールを作る、世界初の技術。液体樹脂の中から複雑な格子状のソールが、するすると現れる様子は圧巻だ。
(写真:Carbon, Inc.)
これを実現しているのが、特殊な新素材と3Dプリンターだ。
3Dプリンターを生産工程に使うという夢は長らく語られてきたが、プリントのスピードの遅さや強度がネックになり、製品の大量生産には適さないとされてきた。
しかし一方で、クッション性や反発性に優れた幾何学的なミッドソールのデザインは、これまでの金型製造では実現しない。3Dプリンターだからこそ為せる技だ。
これらの難点を新素材と独自の3Dプリンターを掛け合わせることで解決したのが、企業価値1000億円を超えるユニコーン企業「Carbon」(カーボン)だ。
カーボンが目指すのは、これまでのモノづくりの工程を根底から変えることにある。そしてそこには、技術の組み合わせだけでなく、サブスクリプションというビジネスモデルも掛け合わせて実現しようというのだ。
NewsPicks取材班は、カーボンを率いる高分子化学のサイエンティスト、ジョゼフ・デシモーネCEOへのインタビューを実現させた。

ガラ空きだった「特許」