この連載について
石の武器、鉄の鍬、紙や磁石などの記録媒体ーー。時代が求める優れた新素材の誕生は、文明を次のステージへ飛躍させてきた。そして今、自然界に類を見ない人工材料を開発する最先端では、いかなる新素材が生まれようとしているのか。未来を読み解くヒントとなる、新素材の世界へ誘おう。
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通信速度や処理速度を実際に上げていくのはバーチャルではなくフィジカルなものです。必要な材料が生み出されていかないことには、ハードウェアは進化していきません。
この問題を取材してゆくと、国の研究機関からも企業からも、ある一人の研究者の名前が共通して挙がりました。その人物、東大の塩見淳一郎教授を直撃。徹底的に分かりやすく、NewsPicks上だけで「熱」の特別授業をお送りします。
中高生で理科系に関心のある子どもたち、あるいは、それよりもむしろ、理科が嫌いという子どもたちにこそ、近くにいる大人が少しサポートしながら、読んで欲しい内容。理科が好きになり、こういう仕事をしたい、できるようになりたい、と思えそう。
記事から得られる知識や情報もさることながら、社会の課題解決をしようという塩見さんの姿勢が子どもたちにモチベーションを与えてくれると思います。
昔、インテルチップの上にアルミホイルをのっけてその中で目玉焼きができます、という写真を見たことがありますがそのURLが見つけられず。
こういう未来への楽観がチャレンジを可能にして、未来を作っていくと思う!楽観だけだとダメだが、専門知見と組み合わさった楽観を語ってくれる方の話は、それだけで勇気が湧いてくる。
発熱という観点では、物理で習う抵抗(オームの法則)で考えるとイメージがしやすいと思う。
【電圧V=抵抗R x 電流I】
【抵抗R=電気抵抗率ρ x 長さ l ÷ 断面積A】
ムーアの法則は、回路を細かくしていく(微細化)によって実現してきた。回路が細かくなると長さが短くなり、抵抗が小さくなっていく。あとは電圧を引き下げるために材料を変えたり(興味ある方は下記も)。
同じ計算をしても抵抗Rが少ない回路で出来れば、発熱が少なかった。逆にムーアの法則が進化しないと、この長さが短くならずに、より発熱するか、計算力が進化しない。
https://eetimes.jp/ee/articles/1003/02/news113_2.html
記事にある炭素の半導体への応用、興味がある方は下記も。
https://newspicks.com/news/1274493
過剰な熱はCPUの演算能力を低下させ、マザーボード上のコンデンサーなどに異常をきたし、メモリの記憶を飛ばしたりします。無視できない課題なのです。
放熱用の素材選びも難しい。電子機器に使うには熱伝導性の良い金属は(電気を通してしまうため)使えず、かといって絶縁体は熱を通しにくいものがほとんど。
熱というものが、電気のように、ある特定の物質を好んで流れるような性質のものであれば、例えば配線などで逃すこともできるのでしょうが、残念ながら熱は非常に散漫で、特に対象物を選ばず何でもダラダラと通ります(原子や分子の運動が熱の正体だから、運動し得るものは何でも通る)。したがってどうにか対象物から熱を奪って、空気中に放出してしまうしかないのですね。
今活躍している放熱グリースやシートは、絶縁性のペースト剤に、熱伝導性のよい充填剤をこれでもかというくらい練り込んだものです。両者はそもそも混ざりが悪いため、混ぜるだけでも結構な技術なのですが、今後CPUの発熱量が増大するにつけ、戦いは更に厳しくなりそうですね。
ところで、熱量の増大につけ「太陽の熱密度」が引き合いに出されていますが、太陽の熱「密度」は実は大したことありません。太陽がすごいのは、その大きな体積に由良する総発熱量です。引っかかりませんよ。ふふふ。
携帯電話やスマートフォン、タブレットなどもそうだが、近年のモバイルデバイスは一定のサイズ、体積の制約がある中でチップセットの熱をチップから逃がしてやらなければチップのパフォーマンスが落ちていく。
スマホ時代に入って、更に熱の問題は深刻になっている。
日本人の多くはiPhone以外の国産Androidスマホで相当熱の問題で悩まされたはずで、熱の問題がひどくてすぐに遮断されたり、アプリ複数立ち上げると動きが遅くてホッカイロにしかならないと揶揄された富士通のスマホなどはまだ記憶に新しいのではないだろうか。熱が高くなりすぎるとスマホを強制シャットダウンするような機能があったりもする。
PCやさらに大きなサーバーやスパコンでも勿論熱の問題はあるが、コンパクトにしなければならないという制約が無くなると空冷や水冷などの様々な熱対策も同時に打てるようになる。
モバイルデバイスでもやれることが増え、性能が上がるにつれ、熱の問題もさらにひどくなるため、熱対策は様々な方法が打たれており、ヒートシンク、ヒートパイプ、ヴェイパーチャンバーや熱伝導シート、放熱グリスなど様々な部位に合わせた様々な熱対策部材が使われている。
これらの熱対策部材の世界ではハイパフォーマンスの部材はコストも高いのが常であり、ここのバランスをどう取るか?というのが回路設計や機構設計担当者の頭を日々悩ませている。
追記だが、最近は微細化のトレンドと三次元実装のトレンドの両方がトレンドとしてはある。
少し古いがこの辺りもご参考まで。
https://cc.cqpub.co.jp/lib/system/document_download/1002/1/
半導体チップの熱密度はすでに太陽の表面に近づいている。恐ろしい話です。
いよいよ5Gの時代に突入するぞ、と期待していたのですが、熱を処理しなければサクサク大容量の情報を処理できない。これも恐ろしい。
熱を効率的に放熱する、あるいは出さない素材開発が急務ですね。熱との熱い戦い!塩見先生、期待しています。
大魔王バーンがなぜ地上を破滅しようとしたかというと、地底にある魔界に太陽がないからでした。自分の生まれ故郷である魔界に太陽を照らすことを目的に、地上を破壊しようとしました。
「太陽、素晴らしい力だ。いかに我が魔力が強大でも太陽だけは作り出すことができん」といっています。魔界に太陽の光を灯すために数千年力を蓄えてきたバーンでさえ、太陽は作れないそうです。
太陽は偉大です。
ところで、
>この原子核のブルブルが増えると温度が上がり、ブルブルが減ると温度が下がる。<
これは聖闘士星矢でカミュがヒョウガに教えていましたね。漫画から学ぶことは多いです。
あ、ダメ?
追記
あ、パワー半導体のthermal management はクルマ(EVでなくても)でも既に主問題ですねぇ ワタシに近い分野ではこんなのも
https://newspicks.com/news/3566065
「半導体チップの高性能化が今のペースで進めば、2010年にチップの熱密度は原子炉と同じくらいに、そして2015年には太陽の表面と同じくらいになる」