この連載について
石の武器、鉄の鍬、紙や磁石などの記録媒体ーー。時代が求める優れた新素材の誕生は、文明を次のステージへ飛躍させてきた。そして今、自然界に類を見ない人工材料を開発する最先端では、いかなる新素材が生まれようとしているのか。未来を読み解くヒントとなる、新素材の世界へ誘おう。
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【どうすごいのか】
たとえば、先週の京都特集で登場したアトミスの源流を作った北川先生は、PCPの大家。「PCP」という巨大な学術領域を作り出した人。一方、相田先生は、何の専門家か?というと、これを表現するのがなかなか難しい。相田先生は、何かわかりやすい特定の材料とか技術が尖っている、いう訳ではなくて、「材料をナノのオーダーで制御して面白いことやっている人。しかも、世界トップレベルで面白くて、複数。」という感じ・・・
ご本人が「ソフトマテリアル」を研究している、とおっしゃっていますが、まさに。と思いました。魔術師という佐藤健太郎さんの表現もうまい。
【どれくらいすごいのか】
だから、相田先生のすごさをお伝えするのもなかなか難しい・・・nature、scienceへの掲載が異様に多い、とありますが、多くの研究者が、一生のうちに一報掲載されるかどうか、なのに対して、相田研の場合は、年に数報掲載される、というレベル感。
【たとえば】
相田先生のご活躍でnewspicksで話題になったのは、記事中でもちらっとでていますが、こちらです。ガラス屋として釘を刺すようなコメントをしていて恐縮ですが、こういう研究、基本的に大好き。
https://newspicks.com/news/2692696
【思考法】
こんな先生だから、研究者としてはもはやその思考法に再現性があるとは思えませんが、笑
最先端の研究者が化学の魅力をこんなにワクワクしながら語っているのは嬉しいなあ。これ、高校生とか、大学の新入生とかに読んでほしい。
そういえば、相田先生、学生の進路に危機感をもっていらっしゃいますが、先生の企業観を反映してか、相田研出身の人がベンチャーに行く頻度って、そこそこ高いような・・・
▶「偶然の産物」の扱い方
▶想定外を「面白がれ」
▶化学は究極の「0→1」だ
▶学問の縦割りは、通用しない
▶眼鏡は「複数」持っておいたほうがいい
素材や化学に関わる人に限らず、すべてのビジネスパーソンから学生まで学べる金言だらけ。必見です。
「日本はあまりにも失敗を許容する素地が社会になさすぎる。
だから、小さいころから間違いをしないように教え込まれる。そして、1問でも間違えると試験に落ちる。一つのメガネで見ていると、それは「失敗」になる。
でもね、今の時代、本当はそれは、また別の「正解」かもしれないんです。複数のメガネで物事を眺め、未来を思い描いてほしいと、若い人たちにこそ強く伝えたい」
ビジネスの世界でも言えることばかり。
ビジネスパーソンの思考だけでなく、企業のやっていること、中国との関係もしかりです。
「化学」や「素材」を自分の業界のことに置き換えて読みました。
答えのない世界に不安になるのは「東大生」だけではありません笑
エンジニアのどれだけ美しいコードを書けるかみたいな感じなのだろうか
個人的に金言いっぱいの記事でした
相田教授の思考法はあらゆる分野に通ずるものですね
記事の途中で見いってしまったのは、相田先生のすぐ背後にあるホワイトボード。化学反応で中間化合物の生成するモデル図やその反応前後のポテンシャルを意図的に増減させるところがまさに化学の醍醐味で、その反応をいかに制御(促進・抑制)するかの重要性がよくわかります。あれくらい概念チックにあれやこれやと議論をするのが一番面白いんですよね。
よくドラマのガリレオやBIGBANGセオリーに出てくるホワイトボードでは数式の羅列、各物理バラメータでの議論がなされているのですが、化学のポテンシャル(エネルギー)ベースで議論すること、つまり高次の概念で現象を捉えることがこの相田先生の言われる「究極の0→1」の説明に繋がるかと思います。戦略がないように見えて実はしっかり練られているところに稀有なトップ科学者としての志を感じました。
失敗やキャリアに対する相田先生のスタンスを僅かながらに感じます。そのため、私はまずは大学に残るようなものなので、運のようで運でない研究活動をこれからも楽しんでいきたいものです。
(修正有り)
0から1を生み出さなくてはならない全ての人に読んでいただきたいです。
相田教授の写真に写っている初期Macが、相田教授のデザインセンスの凄さを物語っています。それとソフトさが。
『日本はあまりにも失敗を許容する素地が社会になさすぎる。
だから、小さいころから間違いをしないように教え込まれる。そして、1問でも間違えると試験に落ちる。一つのメガネで見ていると、それは「失敗」になる。
でもね、今の時代、本当はそれは、また別の「正解」かもしれないんです。複数のメガネで物事を眺め、未来を思い描いてほしいと、若い人たちにこそ強く伝えたい。』
化学に限らず、常識が蓄積されて、失敗のなかでの違和感に気が付けるか。そしてその違和感に好奇心を持てるか。どんな領域でも極める人はそういう姿勢が強いと思う。そういう意味では、人生で好きになれることを見つけられるかが本当にキーだし、takaoさんがコメントされているようにこういう文章に高校生とか大学生とかが触れられるかはとても重要(関連するが、専門家の皆様の思いがこもったコメントがNewsPicksでは見られるのか、だから好きだし、学生の方には是非使ってほしい!)。
またコバルトについても触れられているが、課題に対しての解だけでなく、そもそも社会の動きをみて課題を設定する力も重要(個人的には得手不得手があるので、両方できる必要はなく、分業でよいと思うが)。
『──何万回と繰り返すであろう実験の中で、「失敗」の化学反応が、「実は面白い」と。
そう。それが「面白い」と気づけるのは、「化学の常識」をきちんと積み上げて持っているから。そうすれば、今までにない現象が起きているかもしれないと、察知できますよね。』
そして日本の化学業界は最後のボーナス期なのか。そうはなってほしくない。
基礎的な研究は、成功率も低い。さらに成功したとても、量産につながり利益となるには時間がかかる。「長期的」という言葉で全部をまとめていいものでもないと思うが、規律を伴いながら時間がかかるものは時間をかけてやっていく必要があると思う。
ソニーについても出ているが、例えばイメージセンサーはその長期視点と投資含めて上手くいった例。リチウム電池はソニーが世界で初めて量産に成功したが、投資など含めて維持をすることはできなかった。
失敗は成功の母、と言うのは失敗を繰り返さないと言う意味と、失敗から全く新しい知見を得ると言う意味との二つの意味で成功につながる、ということでしょうか。