【驚異】新素材を次々と生み出す「魔術師」の思考法に学べ

2019/2/20
水98%を含みながらシリコンゴム並みの強度を実現した「アクアマテリアル」、成型加工が難しいカーボンナノチューブのゲル化に成功した「ナノチューブゲル」、光エネルギーを使って分子全体を大きくねじる「分子ペンチ」。
世界的なサイエンス誌の両雄、「Nature」と「Science」への論文掲載回数が異様に多い、先端素材の“おもちゃ箱”とも言える研究室がある。
相田卓三ラボ。東京大学の化学者だ。
製薬企業研究者からサイエンスジャーナリストに転じた佐藤健太郎氏は、相田教授を「魔術師」と表現する。
目には見えない分子の構造をデザインすることで、目に見える材料の性質を操ってしまう、類例のない才能を持つ。今、ノーベル賞に最も近い日本人の1人だ。
「日本の化学産業は業績が絶好調。しかし、おそらく最後のボーナス期でしょう。10年でなんとかしなければ、もう売るものがなくなります」
本日は、そんな警鐘を鳴らす相田教授が、次々と不可思議な新素材を生み出す、その「発想法」に迫る。

「未来に使われるはず」の素材