この連載について
石の武器、鉄の鍬、紙や磁石などの記録媒体ーー。時代が求める優れた新素材の誕生は、文明を次のステージへ飛躍させてきた。そして今、自然界に類を見ない人工材料を開発する最先端では、いかなる新素材が生まれようとしているのか。未来を読み解くヒントとなる、新素材の世界へ誘おう。
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石灰石の調達問題、あるいはマテリアル技術的な部分はさることながら、「石」に魅了された一人の男、すなわち山﨑社長の横顔と起業ドラマにフォーカスしてお届けします。
プラスチックの150年物語、そして今直面する脱プラ問題については、本日公開の記事を併せてぜひ御覧ください。
LIMEXは、石灰石(炭酸カルシウム)を、バインダーとなる有機化合物と一緒に、適切に混合して加工することで作られています。炭酸カルシウムに着目したところが面白いんです。
実は、炭酸カルシウムと、有機化合物を混ぜて、材料をつくる、というのは自然界でもやられていることで、もともと相性がいいから、理にかなっている選択、と言えます。ただ、その自然界の材料の代表は、貝殻です。ガッチガチに硬い材料。
古くから自然界の材料をモデルにして、材料を作ろう、という研究は行われていますが、普通は、その機能をいかに人工的に模倣するか、という視点にたった研究です。つまり、貝殻をモデルにするなら、硬い材料を作りたくなる。でも、LIMEXは、資源問題に着目して、紙のようなペラペラのものを作る、という発想に至ることや、技術的にそれを解決してしまった所に、面白さを感じます。(LIMEXの開発者の方が貝をモデルにされたかどうかは、明記されていませんが、化学屋としては、知らずにやった、ということはないと思うので、こんな書き方しちゃいました…)
(あと、特集に水を指したくないから小声で言いますが、バインダー(=プラスチック)が必要、という意味では、プラスチック代替、という文脈でLIMEXのよさを語るのは、少し怖さもあります。もちろん、プラスチックの使用量を減らせるというメリットはあるので、代替しているのは確かなんですが、ゼロにできるわけでは、ないので、そこは押さえた上で、お祭り騒ぎをしたいところです。もちろん、TBM社もそこは認識されているから、HPには石灰石の割合とか、バインダーを減らす努力をしていることが書かれています。)
応援しているベンチャーの一つです!
その時は、本の部材としては再生処理が難しく、実現しませんでした。
ですが、プラスチックの代替可能性は高そうですし、市場も大きそうです。
以下の記事によると、「プラスチックの世界市場は年間100兆円を超えるほどのビッグマーケット」だとか。
https://www.japandesign.ne.jp/interview/limex-1/
>>>炭酸カルシウムと熱可塑性樹脂の混合物をシート状に押出し、それをロールの力で引き延ばして(延伸して)基材を製造します。さらに印刷方式に応じた塗工剤を表面にコーティングし、印刷適性を高めると共に、紙粉の発生を防止しています。
https://tb-m.com/limex/products/
実績もほぼ無い中でこれほど巨額の工場建設資金を集められたのは奇跡的ですね。途中の資金繰りも想像を絶するものだったでしょうけども、完工までこぎつけた根性に感動です。
物は無機物(石灰)と熱可塑性樹脂が半々のハイブリッド素材のようですね。
https://tb-m.com/limex/about/
もう少しマニアックな製品で全組成の7、8割以上が無機物でできたものあるので、LIMEXだけが唯一の無機製品という訳でもないのですが、紙のような汎用性のある製品形態で量産加工できる無機リッチな素材というのは確かに珍しいものです。
印刷業者と組むと面白い展開ができそうです。ポスターに商業写真印刷、文房具など、機能性紙が求められる用途はまだまだかなりありますから。
LIMEXじゃないと絶対ダメ、というくらいのキラーアプリが出てくるのを楽しみにしています。
出資者以外の印刷業社では下記のようなところが出てきました。
サンエー印刷社
http://www.sap1.jp/business/limex/#ttl4
前にNPでも取り上げられていた、ブランド服のネームタグを付け替えて再販する「Rename」でも、タグに採用されている様子。
https://www.google.co.jp/amp/s/prtimes.jp/main/html/rd/amp/p/000000007.000030109.html
生分解性プラスチックも世にあるわけだが、これもまた値段が高くてなかなか普及しない。結局買う側が背に腹は変えられなくてなかなか高いものに切り替えられない。こうした新素材はプラスチックや紙と真っ向勝負しようとすると必ずコストで負ける。
本気で普及させるには国や企業などの強い支援や信念や規制がどうしても必要。そして、理念に共感してもらうこともまた重要。社員数の多い会社や組織がどれくらいこうした問題に意識的に取り組めるか?ということなのだろう。CSRの一環としてどれだけ出来るか?
DNPや凸版が既に出資してるのは流石というかなんというか。包材と言えば国内ではこの2社がさまざまな包装材料を販売しているのだから納得と言えば納得だが。
事業の魅力や素材の力を感じたのはもちろん、30歳転機話を読んで、あらためて若いうちからの挑戦と行動の重要性を感じ、パワーをもらいました
時代の波にも乗れた感じだし、世界のリーダーになるくらい、行くとこまで行ってほしいですね。
子どもたちに、人生をぜひ語ってほしい一人だ。