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注目のコメント
2年ほど前から接触をしていた、素材ベンチャー企業TBM。石灰石(LIME)でつくるストーンペーパー「LIMEX」に始まり、いまやプラスチックの代替まで行おうとしています。
石灰石の調達問題、あるいはマテリアル技術的な部分はさることながら、「石」に魅了された一人の男、すなわち山﨑社長の横顔と起業ドラマにフォーカスしてお届けします。
プラスチックの150年物語、そして今直面する脱プラ問題については、本日公開の記事を併せてぜひ御覧ください。僕がTBMを知ったのは、研究者としての情報収集、とかではなくて、2016年のカンブリア宮殿でした。spiberと一緒に特集されて、「超面白い素材の会社が2社も!」とワクワクする番組でした。
LIMEXは、石灰石(炭酸カルシウム)を、バインダーとなる有機化合物と一緒に、適切に混合して加工することで作られています。炭酸カルシウムに着目したところが面白いんです。
実は、炭酸カルシウムと、有機化合物を混ぜて、材料をつくる、というのは自然界でもやられていることで、もともと相性がいいから、理にかなっている選択、と言えます。ただ、その自然界の材料の代表は、貝殻です。ガッチガチに硬い材料。
古くから自然界の材料をモデルにして、材料を作ろう、という研究は行われていますが、普通は、その機能をいかに人工的に模倣するか、という視点にたった研究です。つまり、貝殻をモデルにするなら、硬い材料を作りたくなる。でも、LIMEXは、資源問題に着目して、紙のようなペラペラのものを作る、という発想に至ることや、技術的にそれを解決してしまった所に、面白さを感じます。(LIMEXの開発者の方が貝をモデルにされたかどうかは、明記されていませんが、化学屋としては、知らずにやった、ということはないと思うので、こんな書き方しちゃいました…)
(あと、特集に水を指したくないから小声で言いますが、バインダー(=プラスチック)が必要、という意味では、プラスチック代替、という文脈でLIMEXのよさを語るのは、少し怖さもあります。もちろん、プラスチックの使用量を減らせるというメリットはあるので、代替しているのは確かなんですが、ゼロにできるわけでは、ないので、そこは押さえた上で、お祭り騒ぎをしたいところです。もちろん、TBM社もそこは認識されているから、HPには石灰石の割合とか、バインダーを減らす努力をしていることが書かれています。)
応援しているベンチャーの一つです!ストーンペーパー、本の素材のバリエーションとして検討したことがあります。
その時は、本の部材としては再生処理が難しく、実現しませんでした。
ですが、プラスチックの代替可能性は高そうですし、市場も大きそうです。
以下の記事によると、「プラスチックの世界市場は年間100兆円を超えるほどのビッグマーケット」だとか。
https://www.japandesign.ne.jp/interview/limex-1/