この連載について
石の武器、鉄の鍬、紙や磁石などの記録媒体ーー。時代が求める優れた新素材の誕生は、文明を次のステージへ飛躍させてきた。そして今、自然界に類を見ない人工材料を開発する最先端では、いかなる新素材が生まれようとしているのか。未来を読み解くヒントとなる、新素材の世界へ誘おう。
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ひとつ発見されたり、加工されて別のものに変化したり、さらには普及することで、世の中や人々が変わっていく・・
さまざまな変革の根底にあるものが「素材」だということを改めて認識しました。
今日はそんな素材の歴史とともに、素材の“神ファイブ“を基礎からご紹介しています。
2分くらいでお読みいただけると思うので、本特集の予告編と合わせて、ぜひお楽しみください!
【新】自動車、5G、医療まで。僕らの進化は「素材」が決める
https://newspicks.com/news/3676475
これを食い入るように読み、佐藤氏にもたっぷりと時代を変えてきた素材たちのお話をお聞きし、そこからさらに取材を進めていきました。
初日の本日は、時代を創り上げてきた、人類に「選ばれた素材たち」の歴史をインフォグラフィックで紹介していきます。デザイナーすなだ氏の力作です。
人類の歴史はテクノロジーの歴史。テクノロジーとは道具。道具は素材により作られ素材により進化する。人類の歴史でをそれまでと非連続に最も進化せたのはコンピューティング産業。そのもとはシリコンの発明。
素材産業は日本が世界に誇る産業の一つ。地味だがその強みを失うことなく育てるべき。
連載のタイトルをみるだけで、だいたい何が来るかわかる喜びよ。編集部のみなさま、特集していただきありがとうございます!!
(僕のNPコンフィデンシャルでご紹介していたことも、しれっとアピールしておこう。https://newspicks.com/news/3318168/ )
さて、記事中にケイ素から酸素を引き剥がす難しさがチラっと出てきていますが、人類の歴史的に、青銅器時代が鉄器時代に先行しているのも、この、金属のイオン化傾向が、鉄のほうが高いから=精錬しにくいから、と考えることもできるのでは?と、高校の化学の先生がしてくれたことがありました。歴史まで語れるなんて化学ってすごい!と感動したものでした。(どの程度妥当な議論かは確認していませんが。すみません。)その授業から10年くらいたって、佐藤健太郎さんが素材の視点からみた歴史書を書いてくれたときは感動したものです。
さて、何度か紹介していますが、佐藤健太郎さんについて。
佐藤健太郎さんは、学生の頃から大好きなサイエンスライターで、もともとは製薬会社で研究する傍ら、「有機化学美術館」というwebサイトを運営されていました。最近はブログ版の「別館」が更新されています。うちの研究室の人は、みんなこのサイトのファンだった、と言っても過言ではない。そして、その知識と腕を活かして、ライターとして独立されて、東大の広報をしたり、数々の著作を発表したり、学術領域の広報をしたり、とご活躍されてきています。「すごい分子」という本も直近書かれていますが、その領域の仕事をうまく展開されたものです。
http://blog.livedoor.jp/route408/
しかし、神ファイブにガラスないじゃん!セメントのところ、ガラスでもいいじゃん!という、元ガラスメーカー研究者の焦りをうまく丸め込んでくれる鮮やかなまとめ。佐藤さんも、newspicks編集部のみなさまもさすがです。笑
今週は毎朝早起きしないと!!
ヨーロッパの錬金術や中国の練丹術は、膨大な試行錯誤の集積がありますが、国家や王侯が保護してきたのも、故のないことではありませんでした。大英帝国は、世界中から戦略物資を安定的に確保できる交通路を確保することで産業革命による成長を持続させましたが、その中にはスズとゴムの最良の供給地、マレー半島も含まれていました。また、英国の優位は鋼鉄生産の優位によって支えられてきましたが、鉄鉱石の他に必要なニッケル、クロムの産地であるオーストラリア、南アフリカも抑えていました。
時代ごとに花形技術が求める素材はことなりますが、名何らかの素材の需要は無くなることはないので、素材に必要な資源が国際政治の大きな要素になることもまた変わらないでしょう。
併せて興味深いのが、資源ごとの取れやすさと、どれだけ繁栄につながっているか。セメント及び紙は、主にはその地域で取れる素材で行われる産業。一方で鉄やゴム、プラスチック(原油)は資源としてどこでも採れるわけではない。そして、埋蔵量にそった繁栄の仕方をしているかというとそうでもない(下記は鉄鉱石の国別埋蔵量)。安価に採取・生産できる技術や、その特性をフルに発揮させる技術が重要。それを持っているからこそ価値を見出して、資源自体も早期に確保していった歴史もある(それが紛争などにもつながってきた)。
https://www.globalnote.jp/post-1948.html
タイトルを見て、最初は「神ファイブ」という素材があるのか、と思いました笑
「ゴムの最初の使いみちは、消しゴム」など、素材の歴史がわかるインフォグラフィック。
これほど短時間で、歴史を振り返ることができるものはなかなかないですね。
京都特集もそうだけど、骨太産業取材記事の割合を突如増やしてきましたね。とてもとても好印象ですが、一体何があったのか…
素材の歴史をこうして並べるとなかなか面白いですね。日本企業と素材事業は密接に絡んできたので、その辺りも見通せると面白いかもですね!
プラスチック産業にずーっと従事してきたので、環境への影響を言われるといつも頭がいたいところはあります。が、近年ではISO14001に代表されるように環境への対応はきちんと企業として対応しないといけない時代ですし、分別やリサイクルもやってるわけです。ただ、使われたものがどう扱われるか?という問題は常に横たわってる。これは作る側はなかなか対応が難しい。
人々の環境意識を変えていくこともまた重要と思います。
特に、磁石の磁力線(磁石の発する磁場)に関する写真に関しては(おそらく)それが初めて報告された一番古い文献《実践物理(practical physics), 1913年》から引用されており、また、元素や素材の特徴的な色や光沢でラベリングされている各素材のイラストなども素敵だと感じました。
一方で、プラスチックの環境汚染は最近の大きな問題ですが、最初の写真からゴミの山なので、、もう少しプラスチックの魅力を全面的に押して欲しかったなあとも感じました。
私の思うプラスチック(合成樹脂)の魅力は、これまでにない「強くしなやかな」特性を持っているところで、この発明によって、皮膚の柔らかさであったり、くちばしの形や構造などといった「生体模倣技術(バイオミメティクス)」へと展開してきたことにあると思っています。なので、人類の歴史を作っていく材料の発展とその正と負の二面性を正確に捉えていくと面白いなあと思っていて、明日から続く特集、特に、特集03のプラスチック150年物語が楽しみです。(ちなみに初の人工素材はプラスチックでなく紀元前からあるコンクリートかなあ)
あと、No.2のセメントのサブストーリーの中に磁石を描いてもらえ(コンクリートさんと共演でき)この上ない喜びです。ありがとうございました。
でももう少し詳しく言うと、プラスチックは人工材料としての高分子材料ですが、私たちの身体をつくるDNAやたんぱく質も生物由来の高分子です。新しい研究対象が、生体材料や医用材料に向かう中で、素材の神No.6みたいな部分は高分子材料を含む複合材料に向かっていくのだと予測します。
そしてそれを可能にするのはマテリアル・インフォマティクスだけでなく、複雑なマルチマテリアルを自在に扱うことを可能にする3Dプリンターを始めとするデジタル製造技術でもあると考えます。
まぁ、ポジショントーク半分、本当にそう思うところ半分、ではありますが。(笑)