米、北朝鮮に不可侵宣言を打診 2国間のみで、「終戦」はなし
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北朝鮮と非核化で折り合えるかどうかとは別に、難しく考える必要のない話だと思います。
北朝鮮が望む朝鮮戦争の終結宣言は、南北朝鮮と米中だけでなく、朝鮮国連軍を構成する国々との合意も、ないよりはあったほうが望ましい。しかし、そのためには手間ひまがかかります。
それに比べて不可侵宣言のほうは2国間で可能ですし、北朝鮮が望んでやまない米国による攻撃の回避を米国の宣言によって実現できるわけで、非核化の前進にもつながりやすいということでしょう。いずれにしても、北朝鮮の完全な非核化を求める日本政府は、より密接に米国と意思の疎通を図らなければなりません。米国側がこうした打診をすること自体、米国が「段階的な非核化」で妥協する意志があることを示唆しているからです。
トランプ大統領は、米朝2国だけでの不可侵宣言や平和宣言と引き換えに、何とか、北朝鮮の非核化に向けた行動を引き出し、最終的に朝鮮戦争の終結に結び付けたいのでしょう。米国にとっては、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発が止まれば、完全な非核化が将来の目標であっても、自国の安全は保障されるのです。極端に言えば、その目標が達成できなくても、北朝鮮は米国の脅威にはなりません。
一方の北朝鮮は、依然、核・ミサイル計画を申告することにすら難色を示しています。核・ミサイル計画を明らかにすることは、非核化のプロセスを決定するための基礎となる情報です。全体像が掴めなければ、どのようなスケジュールで完全な非核化に至るのかを示すことができません。
米国から朝鮮戦争終結に向けての段階的なプロセスを示すことは、北朝鮮に非核化を促す効果が期待できる一方で、北朝鮮にプロセスの各段階を交渉させる機会も与えます。
米朝首脳会談は、日本にとっても、目を離すことができません。また、米国が「段階的な合意」あるいは「部分的な合意」で妥協する意図があると分かった場合には、北朝鮮の完全な非核化に向けたプロセスを明らかにするよう、米国に求める必要があります。
トランプ大統領は、自分のポイントになるためであれば、突然、朝鮮戦争終結と在韓米軍撤退あるいは縮小を宣言するかも知れないのです。米国は1994年の米朝枠組み合意、2005年の六者協議共同声明をはじめ、幾度となく不可侵宣言をしています。ティラーソン国務長官も2017年に約束しています。これまでの経緯から何ら新しい提案ではない、と言えそうです。