[東京 12日 ロイター] - KDDI<9433.T>は12日、カブドットコム証券<8703.T>株式の公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。これまでも現物株の売買サービスなどで協業してきたが、資本参加することで連携を深める。

買付価格は1株559円と、12日終値に比べて5.6%高い水準。4月下旬の開始を目指す。カブドットコム証券の昨年9月30日現在の大株主は三菱UFJ証券ホールディングスが52.96%、三菱UFJ銀行が6.31%となっているが、三菱UFJ銀は保有する全株式を応募する予定で、TOB後の保有比率は三菱UFJ証券HDが51%、KDDIが49%となる見込み。

KDDIは三菱UFJ銀と折半出資しているじぶん銀行が4月1日付で実施する第三者割当増資を引き受け、出資比率を63.78%まで高めることも決めた。引き受け額は約250億円。通信収入の大きな伸びが期待できない中で、スマートフォンと親和性の高い金融サービスを拡大することで、収益基盤を強化する。

金融事業の強化に向けて、金融持ち株会社「auフィナンシャルホールディングス」も設立する。じぶん銀行など金融5社を持ち株会社の傘下に移管。5社とカブドットコム証券の社名を、2019年度中に「au」ブランドを冠した名称に統一する予定。カブドットコム証券は非公開後に商号を「auカブコム証券」に変更する。

*内容を追加しました。

(志田義寧)