[ブダペスト 11日 ロイター] - ポンペオ米国務長官は11日、訪問先のハンガリーで、中国・華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の通信機器を米国の同盟国が国内に配備すれば、米国との関係は複雑になると警告した。

ポンペオ長官は「(ファーウェイの)機器が、米国の重要なシステムを備えている国々に配置された場合、そのような国とパートナーになることは一段と難しくなる」とし、「ファーフェイ製機器の使用に伴う機会とリスクを明確にしたい」と語った。

ハンガリー訪問後、長官はスロバキアとポーランドを訪れる。これら東欧諸国は米国の関与が比較的薄く、中国やロシアの影響にさらされやすいと見られており、米政府は関係の強化を目指している。とりわけ、ハンガリーとポーランドにおけるファーウェイのプレゼンス拡大を主要懸念と位置付ける。

ロシア政府とのエネルギー関係を巡る懸念も表明する見通しで、天然ガスパイプライン「トルコストリーム」を支持しないよう、ハンガリーに促すとみられる。

ポンペオ長官はこのほか、ハンガリーとの防衛協力で合意する計画も表明。ハンガリーのシーヤールトー外相との会談で「中国がハンガリー国内に橋頭堡を築くことの危険性」について協議したことを明らかにした。

ハンガリーは天然ガス供給でロシアに最も大きく依存しているほか、欧州連合(EU)加盟国の中で中国の投資に大きな恩恵を受けている国の1つ。ただシーヤールトー外相はポンペオ長官との共同記者会見で、「ロシア、もしくは中国との協力で、ハンガリーが北大西洋条約機構(NATO)の責任あるメンバーであることは阻害されない」と述べ、米国の懸念の払しょくに努めた。

ポンペオ長官は12日にポーランドを訪問。ポーランドでは前月末にファーウェイの中国人社員らをスパイ容疑で逮捕されたことを受け、同国政府は第5世代移動通信システム(5G)から同社の製品を排除する方針であることが複数の当局者や業界関係者の話で明らかになっている。

*内容を追加しました。