【社長直撃】アップルが沈んでも、村田が勝ち残る理由

2019/2/13
もう、村田には敵わないーー。
ここ数年、電子部品メーカーから、怨嗟とも取れる声が聞こえてくる。村田製作所はスマホ向けの積層セラミックコンデンサで世界トップのシェアをがっちり押さえ、米アップルにとっても欠かせない存在となった。
売上高はこの10年で2倍を超え、営業利益率も一時は20%(2000億円)を超えた。
これは、電子部品メーカーとしては未知の領域だ。しかも、iPhoneの販売不調による「アップルショック」で部品各社が大きなダメージを食らう中で、村田はすでに自動車向け部品の需要を掴み、その影響を最小限にとどめた。
今や、年間で生産するセラミックコンデンサの数は1兆個を超える。
他にも、世界シェアトップの部品をいくつも抱え、まさに「手がける部品は全て世界一にする」と言っても過言ではない状況だ。今年、創業75年を迎える企業がなぜ今もテクノロジー業界で成長し続けるのか。
NewsPicks編集部が、会長兼社長の村田恒夫氏を直撃した。

成長分野を察知する秘訣

──今年に入り、iPhoneの販売不調による「アップルショック」がありましたが、村田製作所は、車載向きが好調で、打撃を最小限にとどめました。なぜ、移行が可能だったのでしょうか。