【痛快】ノーベル級発見を守る。安定捨て「決起」した40代たちの挑戦

2019/2/16
多孔性配位高分子ーー。
と聞いて、すぐに理解できる人はなかなか少ないかもしれない。これはノーベル賞受賞が有力視されている京都大学発の研究成果だ。
京大といえば、日本のノーベル自然科学系3賞の受賞者計23人のうち、10人が京大ゆかりの研究者で、ノーベルに最も強い大学として知られる。昨年、医学生理学賞を受賞した本庶佑氏も京大の特別教授だ。
だが、その研究成果を実用化していく動きとなると、また別の話だ。
素晴らしい研究成果を出しても、ビジネスの果実は海外に奪われていくーー。そんな状況は看過できないと、40代にして初の起業に踏み切った男3人がいる。
冒頭の多孔性配位高分子の技術を事業化する京大発のベンチャー「アトミス」。その経営陣3人に起業のドラマと、事業化のポテンシャルを聞いた。
アトミスの経営陣。左からCOOの片岡大氏、CEOの浅利大介氏、創業者CTOの樋口雅一氏。

ノーベル研究に訪れた危機

──アトミスって何をする会社なのでしょうか。