(ブルームバーグ): 巨大な投資ファンドに変貌しつつあるソフトバンクグループについてアナリストは、評価基準次第では負債は適切に管理されているようにみえると指摘した。

ソフトバンクGの投資資産価値(LTV、純有利子負債を保有株式価値で割った比率)は、SMBC日興証券や大和証券の計算によると現在20%以下。会社側は35%以下を目安としているが、大和証の大橋俊安チーフクレジットアナリストは保守的な水準だと考えている。たとえ70%に上昇しても、銀行が資産に対して貸し出す割合だとして合理的だとしている。

SMBC日興の原田賢太郎シニアクレジットアナリストは21日付のリポートでソフトバンクGについて、投資持ち株会社としての側面が強まり、LTVがソフトバンクG信用力評価では重要になると指摘。アリババの株価が半値になったとしたとしてLTVは子会社上場などで20%を下回る水準だと試算しており、現状の格付け対比で十分な水準を維持すると記した。

格付け会社はソフトバンクGの評価方法を変えつつあり、S&Pグローバル・レーティングは、国内通信子会社の上場を受けてソフトバンクGの投資資産の価値に重点を置く分析手法に変更したと12月に発表。ムーディーズ・インベスターズ・サービスも子会社上場や様々な買収や投資により「伝統的な通信会社から急速に投資持ち株会社としての性格を強めている」と12月のリポートで記した。

(第3段落にアナリストの評価を追加して更新します.)

--取材協力:呉太淳.

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