[ソウル 31日 ロイター] - 韓国のサムスン電子<005930.KS>が31日発表した第4・四半期決算は、営業利益が前年同期比29%減の10兆8000億ウォン(97億ドル)となった。メモリーチップ需要の鈍化が響いており、2019年についても減益を予想した。

同社は、メモリー製品と有機EL(OLED)パネルの販売は19年下期に回復し始めるとみられるものの、今年は「全般的な年間利益の減少」を見込んでいるとした。

メモリーチップ需要は「マクロ経済的な不透明感」や主要顧客の在庫調整によって第1・四半期も弱い状況が続く見通しという。ただ、クラウド企業向けの販売がけん引し、第2・四半期からは緩やかに回復すると見込む。

第4・四半期の売上高は10%減の59兆3000億ウォンだった。営業利益、売上高ともに今月初旬に公表した会社見通しと一致した。

半導体事業の営業利益は29%減の7兆8000億ウォン。モバイル事業の営業利益は38%減の1兆5000億ウォンだった。

同社は、今年のスマートフォン販売全体は前年から横ばいと見込むが、マルチカメラのような高額部品を搭載した機種が増えるため、平均価格は上昇すると予想した。

決算発表後に株価は0.2%下落。株価は昨年、米中貿易摩擦によるサプライチェーンへの影響懸念から世界的にテクノロジー株が売り込まれるなか、24%急落した。

イーベスト・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリストは「中国のIT(情報技術)製品支出は激減しており、米中貿易戦争がいつ終わるのかも分からない。こうした状況がサムスン電子に影響している」と指摘した。

ただ、一部の投資家は、データセンター向け半導体ならびに今後投入する次世代通信規格(5G)対応製品や折り畳めるスマホがけん引し、下半期に業績が回復すると期待する。

サムスン株を保有するHDCアセット・マネジメントのファンドマネジャーは「同社の折り畳めるスマホがヒット商品となれば、サムスンの株価にとって好材料になる」と指摘した。

*内容を追加しました。

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