三菱UFJの全面デジタル化新店舗に見る、SMBCとの「意識の違い」
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SMBCは一足飛びに国内個人富裕層特化型店舗への移行に着手したのに対して、MUFGはそこに至る前に過渡期の銀行店舗をワンステップ置いた感じじゃないかと思います。両行とも目指す最終形は同じ、「雑魚よさらば、富裕層いらっしゃい」ですから。
MUFGのワンステップは、個人顧客をスマホ誘導しつつ富裕層との切り分けをその場でして、有望先は二階へ誘導するという一見親切そうに見せて、裏には強欲を潜ませる三菱らしいやり方かと思います。対してSMBCは正面突破の強引なやり口で、これまた住友文化をモロにプンプン匂わせていると思います。
共に肉食系なんですが、おばあちゃんに変装したオオカミか、モロに「俺はオオカミだ!文句あっか!」と宣言したオオカミかの違いです。この戦い、なかなかおもしろいですね。
でもって、草食系みずほ如何に?本記事のキーメッセージは、ここですね。
「三井住友銀が提案力を強化し、運用商品などの販売手数料に傾倒するのに対し、片や三菱UFJ銀は、コスト削減に執念を燃やしているといえよう。この“省エネ”に対する両メガバンクの意識の差が、次世代店舗の旗艦店に明確に現れている」
ただ、SMBCもITを梃子とした省力化には取り組んでいるので、そこまで鮮明ではないと思います。
何れにせよ、ペーパーレスと叫んで何年経つんでしょうか?
デジタル店舗を新ブランドに留めずに、基本的プラットフォームに早期に移行すべきです。今後の銀行経営における個人役務事業の課題のひとつは「顧客接点の最適化」であり、その一環で本記事に取り上げられているような営業店の位置づけについても、各銀行で取組みが進められていくと思われます。
銀行営業店は事務作業が膨大にあるものの、その多くは未だに手作業対応や印鑑に依存するものであり、そこでのRPA等の活用による業務効率化及びコスト削減の余地は大きいことは間違いありません。
一方、この三菱UFJ銀行の取組みのように全面デジタル化店舗の取組みは、一件思い切った施策であるように見えるものの、実際には位置づけを整理しきれていない中途半端な印象を受けます。
顧客接点を全てデジタルに置き換えるのであればそれはもはや高いコストをかけて好立地に店舗を出すのではなく、オンライン施策で良く、逆に対面店舗を展開するのであれば、そこに顧客が求めるのは一定程度のヒトの介在であり、それであればデジタルはヒトの業務を支援するというSMBCの取組みのようになるように思います。
恐らく今回の全面デジタル化新店舗は実験的な位置づけであり、今後の営業店の位置づけ整理やそのなかでのデジタルの活用等が今後試行錯誤され、最適化されていくのではないかと予想しています。