【橘玲・1万字】最もシンプルで確実な「最強のお金の増やし方」
「新・お金の増やし方」特集の第1回目は、作家の橘玲氏が、投資・資産運用の「基本」を解説する。
橘玲氏は、『マネーロンダリング』や『タックスヘイヴン』などの経済小説だけでなく、ベストセラーとなった『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』や、『臆病者のための株入門』など、本格的な資産運用の本を数々執筆してきた。
ベストセラー作家に、長年かけて培った「最強のお金の増やし方」、そして、これから「自由で幸福な人生」を送るためのノウハウを聞いた。
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「資産運用特集」とのことですが、資産=資本と考えて、金融資本(お金)をどうやって増やすかだけでなく、人的資本(仕事)や社会資本(ネットワーク)も加えて、“100年”の長い人生のなかで「幸福の資本」をどのように最適設計すればいいかという話をさせていただきました。
就活前の学生さんに是非読んでいただきたい記事。
学生の頃から橘玲さんの著作を相当量読み続け、少なからず影響を受けています。
本稿に類するご著書だと、人が持つ資本を「金融資産」「人的資本」「社会資本」の3つに分類し、個々の多寡がその人の生き方にどのように影響するかを説いた『幸福の資本論』を強くおすすめします。
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若い人は金融資本よりも人的資本の運用により力を入れるべきというご指摘、全くその通りだと思いますし、そのように行動してきたつもりです。
複利効果を根拠に、若い時からの長期投資を呼びかける方もいますが、理屈としてはその通りである一方、あまりに元本が小さいと、大した額にはならないというのが身も蓋もない現実。低リスクのインデックス投資ならなおさらです。
それよりも、若い時分はいかにして人的資本を伸ばすかに意識を向ける方が、よほどリターンが大きいのではないでしょうか。
人的資本を伸ばす上で、「アドバンテージ(優位性)を持てる場所を探す」ことの重要性が挙げられていますが、「能力を伸ばす」ではない点がポイントでしょう。要は相手に比べて相対的に優位に立てる場を特定すること。
リーマンショック後、私自身は冬の時代のスタートアップの世界に飛び込みましたが、その理由の一つは、明確に己の優位性という点にありました。
当時、周囲の優秀な同僚やバンカー、外資系コンサルタント達がこぞって社内での出世やPEファンドなどでの栄達を競い合っているのを見るにつけ、なんだか終わりなき偏差値競争の延長戦のような印象を受け、偏差値マッチョの世界で身を処していく気が全く起きなかったのです。
一方で、最近のスタートアップには喜ばしいことに優秀な人材が流れ込むようになったため、逆に優位性は持ちづらくなっているのでしょうね。人的資本という点のみで考えれば、今自分が20代ならスタートアップの世界は選ばないかもしれません。
人的資本にしても、金融資本にしても、当初は自分自身がなんとかして生き抜くために伸ばし、運用していくものなんでしょうが、そうするうちに少しずつ、意識が自分から外の世界に向かい、どうすれば世の中のために役に立つことができるのかを意識するようになるものだと思います。
「『金融資本は分散投資し、人的資本は好きなことに一極集中する』という人生設計の基本」
「大事なのは『きらきら』のキャリアをつくることではなく、相手が納得する『物語』を持つことだと思います」
橘玲さんの著書は、文字とおり「金言」にあふれています。
それでも30代では株で損をしているということですし、友人と会社(編集プロダクション)をつくって失敗してひどい目に遭っているとのこと。
相手が納得する「物語」とは、自分を納得させる「物語」でもあるはず。
ちょうど『もっと言ってはいけない』を読もうとしていたタイミングでした。
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